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2015 ドイツ・プラハ・ウィーン旅行(2015.9.14-10.5)
ライプツィヒ編/ドイツ(2015.9.23-9.25)
J エレベ川のフィレンツェ「ドレスデン」
芸術と文化の香り豊かな街「ドレスデン」の旧市街 2015.9.24(木)
チェコ国境に近い、ドイツ東部の古都ドレスデンは、ゲーテが「エレベ川のフィレンツェ」と称え、演奏会・音楽サロンが街のあちこちで毎週のように開かれる芸術と文化が花開く美しい都だ。第二次世界大戦で破壊された後、見事に昔の姿のままに復元されたバロック建築の数々の建物が素晴らしい。宿泊地ライプツィヒからは電車で1時間ほど
ドレスデン中央駅からブラガー通りを進み、旧広場を抜け、新広場を通り、プリュールのテラスに立つと、大聖堂(旧皇帝教会)やドレスデン城の塔が樹立し、その迫力に圧倒される
<散策ルート> 市庁舎→プリュールのテラス→ドレスデン城→君主の行列→ツヴィンガー宮殿→エレベ川にかかるアウグストゥス橋をわたり新市街へ→ノイシュタットマルクト(市場)→マルクト・ハレ→バスでクンストホーフパサージュ→聖マルティン教会
市庁舎前の広場(Rathausplatz)でマーケットを楽しむ 2015.9.24(木)
偶然にも、市庁舎前にマーケットが開催されていたので、しばし散策した
市庁舎前の広場にはぎっしりとテントハウスが並ぶ。左手が市庁舎。正面には黒い姿の聖十字架教会
ニュルンベルクで味をしめた、アーモンドを香ばしくコーティングしたお菓子を発見。カロリーは高いが、このおいしさには勝てず、購入 山積みのチーズ屋さん。種類が豊富でおいしそう。だが、近づくのは危険だ(^_^;) 大きなタワシをつけた棒。人の背丈以上なので、びっくり 屋根にてんこ盛りの飾り。ピルスナー(ビール)を横目で見つつ、横切る
痛々しい姿の雄姿「ドレスデン聖十字架教会(クロイツ聖堂)」 2015.9.24(木)
実は、ドレスデン聖十字架教会を、恐れ多くも、ドレスデンのシンボル「フラウエン(聖母)教会」とまちがえて、観光していた。しかも、nabeさんに、「ヨーロッパ最大のジグソーパズルと言われているんだよ」なんぞと、えらそうに説明していた(^_^;)。最初に、黒いタイルがあちこちに、はめ込まれた外観を見て、パッと飛び付いてしまったのだ。塔の形や色がおかしいな、とは思いつつも、色は風化し、塔は近くて、よく見えないから、と勝手に決め込んだ
この「ドレスデン聖十字架教会」も、「フラウエン教会」同様、第二次世界大戦でイギリスやアメリカの空軍によって、激しく破壊された。瓦礫の中から掘り出されたオリジナルのピースと、新しいピースによって、再生されたが、ドレスデン聖十字架教会の現在の姿は、後にロココ様式で再建されたものだそうだ。それにしても、再建した際、わざわざ、どうしてパズルの姿を残したのだろう。やはり、戦争は忘れてはいけない、、どんなに破壊されようとも自らの力で再生する、という「ドイツ魂」の現れかもしれない

ところで、フラウエン教会(画像があったので、左に添付(^_^;))の場合は、8,500を越えるオリジナルの石が教会から回収され、およそ3,800の石が再建時に利用されたという。新しい部材と瓦礫から掘り出したオリジナルの部材は、コンピューターを駆使して可能な限り元の位置に組み込んだことから、「ヨーロッパ最大のジグソーパズル」と評されたようだ
プリュールのテラスからの眺め 2015.9.24(木)
正式には、「三位一体大聖堂」という「大聖堂(旧宮廷教会)」。バロック様式の重々しい教会は、ザクセン州最大とか。建物に林立する聖人像は78体あるという バロックやルネッサンス様式が混合したドレスデン城は、ザクセン家の宝物博物館として、ドレスデンで一番の観光名所となっている
ゲーテが「ヨーロッパのバルコニー」と呼んだエレベ川沿いの「プリュールのテラス」は、エルベ川に沿った城壁跡に造られた。アウグストゥス橋とカローラ橋の間に位置し、ここから、ゆったりと流れるエレベ川を眺める
「ドレスデン城」とマイセンのタイルで飾られた「君主の行列 2015.9.24(木)
アウグスト通り沿いにある「君主の行列」は、高さ8m、全長約100mにも及ぶ。2万4千枚以上のマイセン磁器タイルを使用し、歴代35人のザクセン君主を描写。いくら眺めても、到底、タイルとは思えないほどの緻密さ
ドレスデン城のシュタルホーフの中庭と回廊 2015.9.24(木)
アーチの入り口があったので、何気なくのぞいて、思わず、立ちつくす。ずらりと並んだアーチの柱に、立派な角を持った鹿の頭が整然と並んでいた。実は、ここはドレスデン城のシュタルホーフの中庭と回廊。この回廊の裏の壁に、「君主の行列」があったことを後で知った
精巧な彫刻は、ひとつひとつ、角の形なども違っている
こんなに素敵な場所なのに、誰もいない。静寂さが、一層神秘的さを増す
逆光だったので、トンネルの中から写す。ちょうどフラウエン教会の塔がおぼろげにのぞく
オペラハウス「ザクセン州立歌劇場 (ゼンパー オーパー) 」 2015.9.24(木)
ツヴィンガー宮殿の前に建つオペラハウス「ザクセン州立歌劇場 (ゼンパー オーパー) 」。この建物を見て、はたと気付いた。大聖堂をはじめ、ドレスデン城や、ドレスデン聖十字架教会、ツヴィンガー宮殿など、建物の色合いや形が、統一された色合いや形のように見えるので、大きなひとかたまりの建物のように見えてしまうのだ。だから、見事に見る者を圧倒してしまうのだ。ドイツの旅を終え、どこが一番印象的だった?と問われたら、ここドレスデンと答えるだろう。それほどまでに、「プリュールのテラス」に立った時の景色は圧巻だった
バロックやルネッサンス様式の代表格「ツヴィンガー宮殿 2015.9.24(木)
宮殿の庭園を、ツヴィンガー宮殿にずらりと並らぶ彫刻群がぐるりと見下ろす。ルーベンスやラファエロの絵画など、アルテマイスター絵画館や陶磁器コレクションなどの美術品が収納されている
屋内市場「マルクト・ハレ」 2015.9.24(木)
エレベ川にかかるアウグストゥス橋を歩いて渡る
新市街に渡ると、いきなりのんびりとした街並みとなる金色のアウグスト強王の像があったが、金ピカでバツ この木立の道を少し歩くと、屋内市場「マルクト・ハレ」がある
店内は小じんまりとしているが、お洒落な小物もあって、ぶらぶら散策 バスのチケットを購入して、「LouisenStabe」まで乗り、クンストホーフ・パサージュへ。4回チケットは数字の順番で、刻印すること
若者に人気のスポット・新市街の「クンストホーフパサージュ(中庭)」 2015.9.24(木)
1997年にオープンした「クンストホーフパッサージュ」は、今、若者に人気のスポットとなっているとか。「色」「光」「エレメント」「変化」「動物」という5つのテーマで構成され、建物の外壁がキャンパスとなり、ユニークな装飾を楽しませてくれる

新市街ノイシュタットにあるが、ノイシュタットの街は、かなり旧市街とは、趣きが異なる。ベビーカーや子供たちが多いところを見ると、若い人たちの街と言った感じだが、落書きが多いのにまず驚く(^_^;)
海外へ行くと、落書きが「文化か?」と思えるぐらいの落書きに出食わしたりするが、落書きも、ベルリンの壁のように、今や文化価値さえ持つものもある。ただ、普通の街に出かけて、落書き天国のような有様を見ると、ちょっと不穏な空気を感じてしまう。新市街のノイシュタットの街も一瞬、そう感じたが、全く、安全だった(^_^;)
大がかりな落書きだなぁと思って、建物を見たら、学校だった。小さい時から落書きが身近なのかと理解する
バスや、トラムの乗車や下車に便利な地図。クンストホーフパサージュに行くのに、「Carolaplatz」で乗車し、「Louisentrabe」で下車する。詳細地図を参照し、アラウン通りとゴーリッツァー通りの間にあるクンストホーフパサージュをめざす。
青地にオレンジの牛のマークが目印。クンストホーフパサージュへの入り口に飾ってある
一番人気の、ブルーの外壁にアルミ製の雨樋が取り付けられた、遊び心いっぱいの家。30分ごとに水が流れる仕掛けになっていて、ラッパのような雨どいへ水が落ちる。軽やかな楽しい音をしっかり聞いてきた
建物の外壁を大小さまざまな虫の大群が這っているように見えて、思わず笑ってしまう ブリキのオブジェの中には紙人形(^^)
青と赤のタイルで描かれたデザイン画のような外壁 動物のホーフ。楽しげにキリンや猿、鳥が遊ぶ
不思議な教会「聖マルティン教会(Kirche St. Martin (駐屯軍教会)」 2015.9.24(木)
フュッセンの聖コロマン教会を見つけた時も、絶対に行きたいと思い、旅のスケジュールに強引に加えたが、この聖マルティン教会の画像を見た瞬間、すっかりトリコになってしまった。ただおかしなことに、教会の画像はたくさんネットに掲載されているにもかかわらず、肝心の教会の情報がほとんどないのだ。場所を探すのさえ、ひと苦労した。ようやく場所がわかった頃には、この教会が背負う、暗い陰も少しずつわかってきた
この教会は、ヒトラー率いるドイツ軍の駐屯軍のための軍営教会として、19世紀末、建てられ、カトリックとプロテスタントの両方の宗派を併せ持つという、何とも珍しい二重教会で、2400席をもつ大きな教会となっている。
こんな魅惑的な教会でありながら、ほとんど観光の表舞台に立つことがなかったのは、軍営教会という暗い陰を背負っていたからなのだろう。
教会を調べて行くにつれ、戦争→軍営教会→ヒトラー→ドレスデンの壊滅(市民を執拗なまでに襲った連合軍の残酷なじゅうたん爆撃)など、暗い記事が続々と検索に引っ掛かってきた。
それにしても、まるでパラソルのような赤茶けた屋根や、いろいろな形をしたたくさんの窓、キノコのようにたくさんの建物が寄せ集まった姿は、まるでおとぎの国のお城のようにさえ見える。そんな愛らしい建物の真ん中から、いきなり黒い尖塔が空に突き出ているのだ。この不思議な形の教会は一度見たら、誰もが忘れられないと思う
ネットで見つけた情報は、@教会が1893 - 1900に建てられたこと、A新ロマネスク様式で新ゴシック・スタイルの大きい砂岩構造だということ、 B多くの付属礼拝堂があること、C尖塔と小さい尖塔や、ステンドグラスの窓があることなどだった。 また、高さ90mの塔は今は地域のランドマークになっているそうだ。
教会が、通常、昼間は開いていると知り、この教会との出逢いを楽しみにしていた
聖マルティン教会には、四方八方に、教会へ入るための入り口がある。今、一般に解放されているのはひとつの入り口だけのようだ。offenと書かれた扉から入る 教会内に足を踏み入れ、余りの美しくさに、目をみはる。暖かく優しい色合い、手の込んだ調度品の数々など、見事に軍事教会のイメージとかけ離れているのだ
アーチとピンクで覆われた礼拝堂は、華奢なレースの衣装を思わせる。常に死と向き合う軍人たちの癒しの場として、聖マルティン教会は、華麗なまでのアールヌーボーを追求したのであろうか。
実は、ウィーンの事前情報集めで、ヒトラーが18歳だった時、ウィーンの造形美術大学を受験し、受からなかったことを知っていた。もしも、受験に合格していたら、ホロコーストも存在せず、美を追求する熱き芸術家が1人増えていただけなのだろうか?
潜在的に美意識が高いヒトラーにとって、聖マルティン教会の建立は、つかの間の、「美」を思い出させてくれる心の拠り所だったのかなと思う
十字架にイエスキリストが磔になっているところをみると、この礼拝堂はカトリックの礼拝堂のようだ
ところで、普通の教会と大きく違うところに気付いた。やたらに、通路や扉が多いのだ。扉が一列に並んだ様はやはり異様だ。
ナチスドイツ時代は、宗派の違い、位の違い、部隊の違いなどで、それぞれ個別の部屋で礼拝をしていたのだろう。教会の外観が、小さなキノコの寄せ集めのように見えるのも、個々のたくさんの礼拝堂が存在したからだろう。教会正面入り口には、なんと4つの扉が存在している
礼拝堂の裏には、通路が回り込むように造られている 正面玄関の入り口には4つの扉が存在
ネットで見つけた、教会の入り口でポーズをとるドイツ軍人のセピア色に変色した古い写真 以前の窓は「鉛ガラス」を使用。鉛ガラスはエックス線を防護する。ただ一般のガラスに比べ、柔らかくすぐ曇る 破壊は免れたものの、戦火によると思われる燃焼跡が残っていた
実は、聖マルティン教会へ到着した時、ちょうど教会の鐘が鳴った。なんだか歓迎された気がして、「ラッキー」と思ったのを覚えている。そして、30分以上は滞在しただろうか? じっくりと教会を見終わって、教会を後にした時、また突如、教会の鐘が鳴った。余りのタイミングに、ドキリとして、即座に時計を見た。長針が15分を過ぎていて、鐘が鳴るような時間ではなかった。あの尖塔に、鐘を叩く人がいて、運命に翻弄された教会にすっかり心酔した女が熱心に教会を見て回る姿を見て、最後にお別れの挨拶をしてくれたのであろうか?

次は ライプツィヒ編/ドイツ
K音楽と芸術の街「ライプツィヒ」と四重奏コンサート

2015年ドイツ・チェコ・オーストリア旅行22日間 ベルリン&ハンブルク編(2015.9.25〜9.28)
@2015年ドイツ・チェコ・オーストリア旅行について L新旧の魅力が調和する「ベルリン」とオペラ鑑賞
A2015年ドイツ・チェコ・オーストリア旅行スケジュール Mベルリンの壁と、2015年ベルリンマラソンと、蚤の市
フュッセン編(2015.9.15〜9.18) Nドイツサッカー観戦と、ミニチュアランドと、倉庫街
Bロマンティック街道の南端の街「フュッセン」 プラハ編(2014.9.28〜9.30)
Cドイツ最高峰「ツークシュピッツェ」と「ガルミッシュ」 O聖ヴァーツラフの葡萄収穫祭と百塔の街「プラハ」
ミュンヘン編(2015.9.18〜9.21) P傭兵交代式とマリオネットと聖フランシス教会コンサート
Dミュンヘンのオクトパーフェストの初日編 チェスキー・クルムロフ編(2014.9.30〜10.1)
Eミュンヘンのオクトパーフェストの二日目編 Qチェコで一番美しい町「チェスキー・クルムロフ」
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Gオクトパーフェストでにぎわうミュンヘンの街並み R千年の音楽史をもつ「ウィーン」と佐渡裕コンサート
ローテンブルク&ニュルンベルク編(9.21〜9.23) Sメルク修道院とヴァッハウ渓谷クルーズ
H木組みの家が可愛い「ニュルンベルク」  10 ザルツブルグ編(2014.10.3〜2015.10.4)
I中世の宝石箱「ローテンブルク」 21ザルツブルクの街散策と城壁ディナーコンサート
ライプツィヒ(2015.9.23〜9.25) 11 2015年ドイツ・チェコ・オーストリアのえとせとら
Jエレベ川のフィレンツェ「ドレスデン」 思いつつままに「旅のよもやま話」
番外編「目の前で見た難民たちの姿
K音楽と芸術の街「ライプツィヒ」と四重奏コンサート

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