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2016年北欧24日間個人旅行(2016.8.23-9.15)
フロム&ベルゲン編/ノルウェー(2016.8.26-8.29)
フロムの街と、フロム鉄道と、ハイキング
フロムについて ノルウェー 2016.8.26(金)-8.27(土)
ノルウェーといえば、夏のフィヨルド観光が有名。その美しい5大フィヨルドのひとつ「ソグネフィヨルド」の拠点で、山とフィヨルドにすっぽりと囲まれたフロムの町に一泊することができた。住民500人ほどの小さな村に、1年に45万人の観光客が押し寄せるという。フロムを拠点に、世界最大のソグネフィヨルドをクルーズやベルゲン鉄道、登山列車のフロム鉄道、曲がりくねった急こう配を走る、スリム満点のバスなどでめぐってきた
オスロからフロムへ ノルウェー 2016.8.26(金)
フロムの港には、次々と世界最大級のソグネフィヨルドをめぐる大型フェリー船が発着する。ソグネフィヨルドの支流のひとつ、ネーロイフィヨルドは世界遺産にも登録され、一年を通して訪れることができるため、ネーロフィヨルドの拠点フロムは、観光客に人気の観光地となっている
早朝4時起きで、オスロから鉄道を乗り継ぎ、7時間ほどかけて、フロムへ向かう。早朝に出発したは、できるだけフロムの滞在時間を長くしたかったから オスロ中央駅6:25発ミュールダール行のベルゲン急行jc609(指定席)。日本でユーレイルパス5回分を購入。ヨーロッパでは駅への入場はフリー。検閲は、列車内で車掌さんが乗車券をチェックするシステム オスロで購入した定番のブドウ、ジュース、コーヒー、サンドを広げて、のんびりノルウェーの森や草原の車窓の景色をながめながら、列車内で朝食
オスロの街を東西に区分するアーケル川。オスロには、343も湖があるのに、川は2本だけ。アーケル川は川幅も広く、ゆったりと流れる 駅に材木の山が置かれている。材木を積んだ貨物車の連結が恐ろしく長かったのにはびっくりした。材木が産業のひとつを担っていることを実感 列車の前面が丸ごと大きな羽になっているラッセル車が何台も止まっている。雪の季節、きっと大活躍するはずだ
沿線での最高地点フィンセに近づいてくると進路方向左側にハダンゲル氷河が見えてくる。ミュールダールまで、もう少し。高度が高いため、8月末だというのに、山のあちこちに氷河が見える。こんな山間にも、小さな赤い家が山肌にしがみついているのには、驚く。
フィンセ駅から約30分ほどで、フロム鉄道の乗換え駅「ミュールダール駅」着く
世界で最も美しい鉄道と呼ばれる「フロム鉄道」 ノルウェー 2016.8.26(金)
ミュールダールでベルゲン急行を下り、人気の高い登山列車「フロム鉄道」に乗り換え、標高差約865mを1時間かけて下って、ふもとのフロムをめざす いきなり、日本語で「フロム鉄道へようこそ」とアナウンスが流れて、nabeさんと顔を見合わせる(^^;)。画面にも日本語。それぐらい日本人に人気の列車ということか
「ショースの滝」では、わざわざフロム鉄道の列車は数分間、停車する。乗客を降ろして、フロム鉄道自慢のハイライト「ショースの滝」を見せてくれるのだ。落差93mという巨大な滝がごうごうと目の前で水しぶきを上げている。でも、わたしが待ち望んでいたのは、この滝ではない。青空がのぞめないと知った瞬間から、わたしの興味は違う方向へ向かっていた。「さぁ、出てこい!」とわたしは、雨にぬれないよう、一眼レフをコートの下に覆って、心の中でつぶやく。だが、中々、出てこない。雨だから今日は中止かな、と案じた瞬間、赤いドレスを着た、森の妖精「フルドラ」が突如、出現した!
一眼レスの望遠レンズを最大限に伸ばして、フルドラを捉える。雨にもめげず、ショースの滝のものすごい水しぶきにもめげず、フルドラは金髪の長いヘアを振り乱して、狂ったように踊る。息を詰めて、動き続けるフルドラをファインダーで追い続けた。
一部ネットの情報では、「余計な余興!」「意味不明!」などと、辛らつな書き込みが目立った。なるほど、おとぎ話の中の妖精の姿とは打って変わって、妖艶さはまるでなく、まるで神がかりのような、力強い踊りだ。
一瞬、ファインダー越しにフルドラの顔にピントが合った。その瞬間、息が詰まった。無意識にシャッターを押し続け、何分経ったのだろう、フルドラが姿を消し、我に返ったわたしは、慌てて列車に戻って、息を切らせて、nabeさんに報告した。
「オカマだったんだよ、すごいねぇ。オカマだったなんて、フルドラ、すごすぎ!」と興奮して話すわたしの後ろで、日本人のご婦人が、「なんか、赤いものが出てきたからびっくりしちゃった。あれ、何?」などと話していた。
裸眼では、小さな赤いドレス姿にしか見えないのだろう。
「あれはですね、フルドラっていう森の妖精で、フロム鉄道のハイライトなんですよ。ただですね、さっき望遠でのぞいたら、男性だったんですよ!」と、喉まで出かかった言葉をわたしは、ゆっくりと飲み込んだ
雨だろうが、ショースの滝のものすごい水しぶきにもめげず、毎回、フロム鉄道が止まるごとに、飛び出してきて踊り狂う森の妖精フルドラ。本当にご苦労様だと思う。まさかボランティアではないとは思うが、あの気合の入った踊りを踊り続ける彼(彼女?)は、わたしにとって、ショースの滝よりも数十倍も衝撃的だった
無事、フロムの村が視界に入ってきた。人口500名ほどの小さな村フロム。白いもやがフロムをすっぽりと覆っている。青い空を諦めていたとは言え、やっぱり、白いもやにガッカリする。
思わず、明日は晴れますように、と祈らずにはいられなかった(Y_Y)
フロム駅に到着。フロム駅を後にして、ホテルへ向かう。一瞬、後ろを振り返ると、大型フェリー船が今しも到着するところだった
フロムをぶらり散策 ノルウェー 2016.8.26(金)-8.27(土)
翌日、祈りが通じたのか、雨がやんで、青空が顔を出した。おまけに、大型フェリー船の後ろに、大きな虹まで現れて、しばし、わたしたちを楽しませてくれた
同じフィヨルドクルーズでも、彼らは、小さなモーターボートに乗って、フィヨルドサファリを楽しむ。水にぬれるのを覚悟して、全身重装備だ。岸に接近したり、滝の水しぶきの下をくぐるなど、おもしろそうだったが、カメラによる撮影には不向きだったので、断念した
青空のお陰で、地表一面が明るい新緑色に様変わりする。家も、赤白の機関車型観光バス「ルッラル・トーゲ」も、浮き立って可愛い(1時間1本。大人1人95NOK。45分ほど、フロムをぐるりと回る)
青空が現れて、山肌が鮮明になり、山のあちこちに流れている白い滝が顔を出す 赤い観光案内所に日本語のフロムの地図がある。ここのトイレはきれい
観光案内所の後ろにある、このスーパーは貴重。水やジュース、ハイキングのお弁当など、ここで仕入れた 楽しみにしていた、ノルウェーを代表するクラフトビールのひとつ、エーゲル・ブリッゲリ社の醸造所。店内は趣向が変わっていて、おもしろい。ただ、ビール片手のお客様たちでごった返していて、しかも、お腹がすいているのに、料理はなく、ビールだけ、ということで、泣く泣く引き返す
おいしそうな匂いと、お姉さんの元気な呼び込みの声に引かれて、観光案内所裏の屋台のテントの中へ。この店の一番人気のシーフードカレーと、大きな白身魚、大きなエビ、イカなど盛りだくさんのフライが入ったフィッシュ&チップスを注文。本場イギリスでも嫌というほど、フィッシュ&チップスを食べたが、ここのフィッシュ&チップスのほうが格段とおいしかった。カレーも中々の味で大満足。そして、会計となり、この2皿と、ビール2杯で498Nok(約6500円)の請求を受け、nabeさんが「屋台でこんな料金、取るかぁ?」とブツブツ言っていた(^^;)。恐るべし、ノルウェー!「かなり高い!」が、「まちがいなくおいしい!」のがノルウェーなのだと思う
逃げ帰った「フレイトハイムのハイキング」 ノルウェー 2016.8.26(金)
フロムのハイキングは楽しみのひとつだった。フロム駅に到着した時、フロム駅横の観光案内所で日本語の「フロムを歩く」というハイキングコースの書かれたパンフレットをもらっていた。最初にめざしたのは、フロムの町を見下ろすビューポイント「フレイトハイム」のハイキングで、パンフレットには0.5~1時間と書かれていた
フロムに到着した当日、ホテルにトランクを預け、雨が残っている中、重装備をして「フレイトハイムのハイキング」に出発した。ハイキングコースのマップを見ながら、雨の中をテクテクと歩く。雨だけでなく、風も強まり、すこぶる寒い! 山々は白いモヤにすっぽりと包まれ、山頂は隠れたまま。
それでも諦めきれず、山へ続く標識を見つけて、登り始めた。少し登ると、フロムの港を見下ろせる、視界の開けた場所にたどり着いた。まだ歩き始めて、15分ほどだっただろうか。
先にそこへ到着していた5名ほどの人たちが「キャー、キャー」と叫んでいる。雨カッパはひるがえり、一生懸命、フードや帽子を押さえているが、吹きさらしの場所なので、今しも、強風に体ごと、吹き飛ばされそうだった。
その逃げまどう姿を見て、ようやくわたしも諦めがついて、1枚だけ慌てて写真を撮って、Uターンした
小高い丘から逃げるように、平地へたどり着いた時、第2の虹を発見。ガッカリしていた時だけに感動も倍増! 太くて長い虹はしばらく光輝いて、落ち込んだ気持ちを慰めてくれた(画像はnabeさんのiphone)
ギブアップ(Y_Y)した「ブレッケの滝」ハイキング ノルウェー 2016.8.27(土)
翌日、ホテルで朝食を食べ、昨日のリベンジの、2つ目のハイキング「ブレッケの滝」へ出発した。スタート地点がフロム駅なので、ひとまずフロム駅へ向かう。雨はやんだものの、まだ白い分厚い雲がすっぽり山の頂上を隠している(画像はnabeさん)
少しずつ分厚い雲も薄れていき、山の頂上が徐々に輪郭を見せ始める。気持ちのよい朝となった(^0^) 駅から橋を渡り、川に沿う「NedreiBrekkevegen」通りを意気揚々と進む。嬉しいことに、青空が少しずつ拡がって、景色が明るくなってくる
草で覆われた屋根の家、放牧されたヤギや牛などの、のんびりとした風景が目新らしくて、心がはずむ
散歩する人影もなく、突然現れたわたしたちをヤギが興味津々に見つめる。右端に、スマイル顔のヤギ発見!
毛むくじゃらで、角が勇ましい牛がいっぱい放牧されている。初めて見る牛だ。nabeさんが「おっぱいがあるのに、角があるよ!」とびっくり声を出す。よく見れば、なるほど、どの牛にも角がある。お腹に大きなおっばいをぶら下げたメスにもりっぱな角があった。
後でネットで調べたら、バイソンだった(^^;)。「頭部には雌雄共に、皺や捻れのない短い角がある。角の断面は円形」と書かれていた
「ずいぶん高く登ってきたねぇ」などと、余裕の会話。しかし、ここは、「ブレッケの滝」ハイキングの、ほんの入り口でしかなかった。後でnabeさんが、あのガイドブックに紹介されていた「1.5~2時間」という所要時間は絶対に片道の時間に違いないと、頭を横に振っていた
家々の軒先には、立派なエルクの角が飾られている。「カナダでエルク食べたよねぇ」などと会話もはずむ。まさか、その後、散々な目に合うとは思ってもいなかった(^^;) 赤い標識を発見。「ブレッケの滝」の登り口に到着
結論から書くと、山道の入口に目印の標識を見つけ、そこから急な山道を20分ほど登り、わたしはすぐさま、音を上げてしまった。道はぬかみ、ごろごろと石のある急な登り道だった。
「滝が近いかどうか、見てきて」とnabeさんに託して、わたしは山道の石の上にへたり込んでしまった。
カメラを出す元気すら残っていない。40分近く経ったろうか、心配していたわたしのところへ、ようやく、nabeさんが戻ってきた。第一声は「小川みたいで、つまんなかったよ。君、行かなくて正解だったねぇ」だった。nabeさんは見事に全身汗だくだった。
山道はハードで、雨の後で足場も悪く、一度は転んだほど、過酷な道のりだったそうだ。しかも、行けども行けども滝にたどり着けなくて、大変な思いをしたという。
そして、その日から、nabeさんはまだ旅行を始めたばかりだというのに、持病の「腰痛」が出て、腰をかがめた「じいさん歩き」をすることになった(--;)
※フロムのハイキングコースのパンフレットより>



赤色がギブアップした「ブレッケの滝」

黄緑色が、多分、わたしがへたり込んでしまった登り口近辺

緑色がビューポイントの「フレイトハイム」

ピンク色が多分、突風がひどくて、引き返した場所

青色がフロム鉄道駅

オレンジ色が便利なスーパー

茶色が宿泊した素敵なホテル「Heimly Pensionat」

次は フロム&ベルゲン編/ノルウェー
世界最大のソグネフィヨルドのクルーズ

2016年北欧24日間の個人旅行 タリン編/エストニア
①2016年北欧&タリン&St.ペテルブルクの旅行表 ⑩中世の面影が残る石畳の世界遺産タリンの旧市街
オスロ編/ノルウェー ⑪野外オペラなど、タリンのフェスティバルを楽しむ
②オスロの街めぐりと、オスロを楽しむ ヘルシンキ編/フィンランド
③ビィグドイ地区など、オスロの文化と歴史をめぐる ⑫トラムを使って、ヘルシンキの街めぐり
フロム&ベルゲン編/ノルウェー ⑬かもめ食堂ロケ地巡りとバルト海シリヤラインクルーズ
④フロムの街と、フロム鉄道と、ハイキング サンクトペテルブルク/ロシア
⑤世界最大のソグネフィヨルドのクルーズ ⑭エルミタージュ美術館など、サンクトペテルブルク巡り
⑥ベルゲンの街並みと、世界遺産ブリッケンの散策 ⑮ロシア民族ショーなど、サンクトペテルブルクを楽しむ
オーフス&コペンハーゲン編/デンマーク ストックホルム編/スウェーデン
⑦北欧最大の芸術の祭典「オーフス・フェスティバル」 ⑯旧市街ガムラスタンと国会議事堂と王宮衛兵交代式
⑧コペンハーゲンの街と、ニューハウン地区 ⑰ストックホルム街散策とオペラ鑑賞と地下鉄アート
⑨ヒッピーの楽園クリスチャニアと傭兵交代式 ⑱スウェーデンの原風景が広がる「ダーラフローダ」
2016年北欧個人旅行のえとせとら

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