2014年カナダ個人旅行(2014.8.22-9.12)
6 イエローナイフ編(2014.9.6~9.9)
⑬移動型オーロラ観賞とオーロラのにわか知識
べックスケンネルズの車移動型「オーロラハンティング」(2014.9.6~9.7)
夏とはいえ、深夜は零度近くにまで冷え込む。ダウンベストに、厚手のスポーツジャケットを着込む。
宿泊先「イエローナイフ イン」まで迎えに来てくれた「べックス ケンネルズ」の車に乗って、しばらく走ると、キャビンに到着。カメラと三脚をセットし、夜空を見上げ、ひたすらオーロラが出るのを待つ
今回のオーロラ撮影で、一番マシだったのがこの画像だろうか。湖までオーロラハンティングをして、ようやく出会えた。全然納得のできるオーロラではないが、でも一応、オーロラっぽい(^_^;)(^_^;)。オーロラカーテンには及ばないが、それでも夜空いっぱいに息づくオーロラの壮大さを実感できた
この画像でもわかるが、オーロラは既に出現していたのだ。ただ、雲にさえぎられて、見えないだけだった。
実は、オーロラは昼も夜も、1年中、天空に出ているのだという。
単に、オーロラが出現する高さが地球から100~400kmのところなので(飛行機でも、10km(1万m))、少しでも明るかったり、雲が出ていたりすると、単に見えないのだ。

やきもきしながら、雲の合間からのぞくオーロラを撮影する
きっと雲さえなかったら、天空を縦断する巨大なオーロラを見ることができたのかもしれない。雲の後ろで光る緑の帯に向け、何度も何度もシャッターを切った。

イエローナイフでは3日間、オーロラウォッチングに挑戦すれば、1回はオーロラが見えるという。オーロラ遭遇率はなんと95%以上・・・その言葉をすっかり信じていた。でも、これぐらいのオーロラでも「見えた」ほうへカウントされるとしたら・・・・、期待し過ぎていた分、ショックも大きかった(;_;)
オーロラが上空に伸びて行って、三脚にセットしたままでは、上空のオーロラにレンズが向かなくなった。慌てて、三脚からカメラをはずし、キャビンの庭にある丸太を土台に、手持ちでの撮影に切り替える。手ぶれを防ぐため息を詰めて、自動シャッターボタンを押す。シャッターボタンからそっと指を離すと、カシャリとシャッターが落ちる。細いながらも、天空を横切って、オーロラの橋ができていた
一瞬でもオーロラが出ると、さっきまでの女の子たちのおしゃべりがふっと消えて、彼女たちは、夜の寒さを我慢しながら、じっとオーロラを見つめた。でも、意地悪な黒い雲があっという間にオーロラをかき消してしまう
結論から言うと、オーロラを見ることは見たが、ネットで素晴らしいオーロラの数々を見ていたわたしにとっては、実に中途半端なオーロラだった。イエローナイフ滞在中、3日間、オーロラ撮影を予定していたが、雲と雲の合間にひょっこりと出る、中途半端なオーロラの撮影は、気が滅入るだけなので、3日目の撮影は諦めて、カナダ旅行で溜まっていた疲れを取るため、休息日にしてしまった
オーロラのにわか知識(^_^;)
オーロラの仕組みが解明されたのはつい最近のこと。
緑やピンク、赤、白などの光を発しながら、帯状に拡がったり、カーテンのように揺れたりと、さまざまな幻想的な光のショーを見せてくれるオーロラについて、ちょっとネットで調べてみた。

オーロラの名前の由来は?

ローマ神話に登場する女神「アウロラ(Aurora)から。太陽神アポロン、月の女神ディアナの妹で、夜空の星を追い払って、地上に朝の訪れを告げる女神。ちなみに、英吾件では「オーロラ」とは言わずに、「ノーザン・ライツ(Northern Lights・北極光)」や「Southern Lights・南極光」と呼ぶ。

オーロラベルトとは?

オーロラが頻繁に出現するエリアをオーロラベルトという。カナダでは、オーロラベルトの下に位置するイエローナイフとホワイトホースがオーロラ出現率の高い場所として人気。上の図の緑のベルトがオーロラベルト。

オーロラの素「プラズマ」って?

太陽は、光や熱以外に、太陽風と呼ばれる極めて高温で、電気を帯びた小さな粒子「プラズマ」を地球に放射している。この太陽風の小さな粒子「プラズマ」は、地球を包んでいる地場に入ることはできないが、唯一、北極や南極にある垂直の磁力線地点から地球に飛び込むことができる。
地球から100~400kmのところで、飛び込んだプラズマは大気中の酸素や窒素と衝突して、光を発する。
だから、オーロラは北極や南極地方の現象と言える。

オーロラの色は?

オーロラに色があるのは、プラズマが大気中の酸素や窒素と衝突して光を発光するため。つまり、オーロラの色は酸素と窒素が作り出す色で、人間が肉眼で確認できるオーロラの基本的な色は「赤」、「緑」、「ピンク(または水色)」で、下の図のように、高度によって、異なっている。
オーロラの最上部が赤いのは、大気が薄く、大気中の酸素原子の割合が大きく、赤く発光しやすいため。徐々に高度が低くなると、窒素と酸素が発光した赤、青、緑色が混ざり合って、緑白色となる。

高度がもっとも低くなるカーテンのすそ部分は、大気中の分子の密度が高いため、酸素は発光することができず、窒素の発光する赤と青色がまじりあったピンク色となる。

オーロラでよく見られる色は緑系で、赤系はなかなかお目にかかれないと言われている。

オーロラの形は?

オーロラは風に揺れるカーテンによく例えられる。
ゆるやかな風だったり、活発な風だったり、オーロラの形は風に吹かれるカーテンのようにさまざまな形で波打つ。
ゆるやかな風のようなカーテン状のオーロラ かなり動きの激しいカーテン状のオーロラ
(1点から放射状に拡がるコロナオーロラや、
波のうねりのような大波オーロラもある)

一般的なオーロラはカーテン型。
でも、実はオーロラの最上級があって、「ブレイクアップ」と呼ばれる、空の四方八方から緑、黄色、オレンジ、紫など、色とりどりのオーロラが出現して、爆発した花火のような「ブレイクアップ」と呼ばれるオーロラもある。
イエローナイフでは月に数回大規模なオーロラが見れるらしい。

オーロラの発生する高さは?

オーロラが発生する高さはおよそ100-400kmの上空。雲よりもずっと上空で、飛行機の飛ぶ高さは約10km(1万m)なので、オーロラがいかに高い場所に発生しているのかがわかると思う。
はるか高い位置でオーロラが発生するので、上空に雲があると地上からはオーロラが見えないのだ。

よりイラストを拝借
高度100-200kmでは、酸素原子が緑色に発光
高度100kmでは、窒素分子が青やピンクに発光
高度100kmでは、窒素分子が青やピンクに発光

オーロラの速度は時速7200キロ!

実はオーロラは動かないが、電光掲示板の文字が動いて見えるように、オーロラも動いて見える。オーロラの爆発現象「ブレイクアップ」では、全体が毎秒約2キロのスピートとか。時速に換算すると、7200キロとなり、30分ほどで日本横断という超特急のスピードで動くという。

オーロラのタイプは?

<オーロラのタイプ>
1.はっきりオーロラ・・・形がはっきりしているオーロラ。カーテン状のオーロラや、コロナ型、大波型、たいまつ型、アーク(弧状)オーロラ、レイ(細い線状)オーロラなどは、すべてここに分類されるとのこと。

2.ぼんやりオーロラ・・・全体がぼんやりしていて、形もはっきりせず、雲と見分けがつかないようなオーロラ。

3.脈動オーロラ・・・独特の周期で明暗を繰り返すタイプで、脈動は空全体で起きる場合と、空の一部で光る場合がある。さまざまな色が激しく渦を巻きながら、活発に動き回るオーロラは、オーロラの爆発現象「ブレイクアップ」と呼ばれる。
オーロラ撮影への挑戦(2014.9.6~9.9)
オーロラ撮影が難しいのは、、暗い中で動くオーロラを撮影するため。動く被写体を写すには、シャッタースピードを上げなくてはいけないが、暗い中で撮影するには、レンズに光を多く入れるため、シャッターを長く開けたままにしなくてはいけない。
つまり、シャッターを長く開いたままにして、シャッタースピードを上げるという「大きな矛盾」の上にオーロラ撮影があった。

その矛盾をクリアするために、必要なのが、三脚、レリーズ(カメラに触らずにシャッターが押せる)、明るいレンズ(なるべく多くの光を一瞬で取り入れることができる)。

オーロラの撮影は、カメラを三脚で固定し、シャッター速度をバルブに設定し、オーロラが出たら、レリーズのボタンを押して、絞りを開放にして、レンズからたくさんの光を取り込む。そして、最後にレリーズのボタンから指を離すとシャッターが落ちて、動くオーロラを撮影することができるのだ
カメラは2代目の一眼レフ「キヤノンのKissX7」。レンズは鍔山先生からお借りした広角レンズ(17-35mm、F2.8-4)。 今回は交換レンズも持参のため、大型のカメラバックを持参。機内のスリッパ、機内で着るフリースなど、上部、両ポケットにたくさんの荷物が入るのも嬉しい。
三脚は二本目を購入。ベルボンのウルトレック(UT-43Q)は長さが約27cm、重さは約1キロのコンパクトさ。定価27000円を中野のフジカメラで約17000円ほどで購入。以前の三脚は長さ約50cm、重さ約2キロ。 ベルボンのウルトレックには標準で、カメラをワンタッチで装着できるクイックシューが付いていて便利。カメラに付けたクイックシューを三脚の台にはめると、カチリと簡単にカメラを三脚に装着できる。
手ぶれ防止のため、レリーズ(オートシャッター 約2300円)は必須。撮影の際、カメラに接続したレリーズのボタンを押すと、シャッターを開いたままにすることができる。レリーズのボタンを離すと、シャッターが切れる メモリカードは4GBや8GBを全部で13枚持参。一眼レフとコンパクトデジカメの電池はそれぞれ3個、持参。
わたしたちは毛糸の帽子、ダウンベスト、厚手のコート、タイツ、手袋など寒さ対策も万全で臨んだ
オーロラ撮影の時のカメラやレンズの設定変更(2014.9.6~9.9)
オーロラは10分以上も出ていることもあれば、数分で消えてしまうこともあるとか。いかに、カメラを早く設置できるかが、大きなポイント。
まずは、まごつかないよう、オーロラ撮影時のカメラやレンズの設定をわたしなりにまとめてみた。
<カメラ本体の設定> カメラはCanon kiss X7を使用
1.M(マニュアル)モードに設定
  ☆カメラのモードダイヤルを回し、「M(マニュアルモード)」を選択
2.シャッター速度をバルブ(Bulb)に設定
  ☆シャッター近くの「電子ダイヤル」を左へ回し、「Bulb(バルブ)」を選択(1/4000~BULB)
3.ISO感度の設定
  ☆シャッターボタン近くにある「ISOボタン」を押し、1600を選択。最初はISO1600くらいから設定し、ISO800など  に調整する。 また、いつでもISO感度を変更できるように、変更方法を復習しておく
4.絞り数値の設定
  ☆「Av」ボタンを押しながら、電子ダイヤルを左へ回し、レンズの数値に合わせて最も小さな数値を選  択する
5.記録画質を「RAW+L」に変更(RAWで撮影することで、後でいろいろと加工できる。同時にLで撮影す  ることで、特別なソフトなしでも、画像をチェックすることができる)
  ①「MENU」ボタンをクリックする
  ②「1」タブの「記録画質」を選び、「SET」を押す
  ③記録画質が表示されるので、「RAW+L」を選択する

<レンズの設定>
1.レンズの「AF」を「M」に変更
2.手ぶれ補正(VC)がonになっていたら、offにする
2.レンズの先のF値を「開放∞」に変更

<シャッタースピードの目安表>
F2.8 F4 F5.6
ISO感度400 15秒 30秒 45秒
ISO感度800 8~9秒 15秒 20秒
ISO感度1600 5秒 7秒 10秒
表を見ていると、如何に明るいレンズが早くたくさんの光を取り入れることができて、シャッター時間が短くなるのかが理解できる。

<オーロラ撮影>
カメラの設定を全て終え、三脚にカメラを固定し、レリーズを差し込み、オーロラが出現するのを待つ。
オーロラが出現したら、レリーズのボタンを押し、秒数を数えて(テスト撮影をして、秒数を決めるとよい)、最後にレリーズのボタンから指を離せば、シャッターが落ちて、オーロラが写る。

<その他持っていると便利な品>
①懐中電灯 ②使い捨てカイロ ③ジップロップのビニール袋(温度差によるレンズや機材の結露防止用。野外の冷えたカメラをジップロップに入れて、室内や車内へ持ち込み、温度に慣れてから、ジップロップから出す)。
④薄手の手袋

次は イエローナイフのオーロラ編
⑭イエローナイフの街散策とビストロ料理など

2014年カナダ個人旅行(2014.8.22~9.12) カナディアン・ロッキー編(2014.9.2~9.6)
①2014年カナダ個人旅行について ⑩コロンビア大氷原など、カナディアンロッキー
②2014年カナダ個人旅行のスケジュール ⑪カナディアン・ロッキーの人気ハイキング
ロスとサンディエゴとメキシコ編(8.22~8.26) ⑫バンフのサイクリングとイブニングサファリ動物探検
③ロスの夜景と、国境を歩いてメキシコへ イエローナイフのオーロラ編(2014.9.6~9.9)
④ロスと、MLB観戦と、サンタモニカのサイクリング ⑬移動型オーロラ観賞とオーロラのにわか知識
トロント編(2014.8.26~8.30) ⑭イエローナイフの街散策やビストロ料理など
⑤巨大な滝「ナイアガラの滝」へ バンクーバー編(2014.9.9~9.11)
⑥トロント大学など、トロントの街散策 ⑮バンクーバーの街と、グランビル・アイランド散策
⑦トロントの2大マーケットめぐりとMLB観戦 ⑯スタンレーパーク散策とシーバス探検など
モントリオール編(2014.8.30~9.2) 2014年カナダ旅行のえとせとら
⑧ノートルダム大聖堂や旧市街をめぐる 思いつくままに「旅のよもやま話」
⑨キャサリンとの再会とモン・ロワイヤル公園ピクニック

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