2013年スペイン&ポルトガル20日間の個人旅行
7 フラメンコの本場「セビージャ」
⑬スペイン広場やフラメンコなど(2013.10.6-7)
2013.9.30-10.19(20日間)
<セビージャ> 圧巻の「スペイン広場」(2013.10.7)
「スペイン広場」は、建物の端から端まで歩くだけでも大変な広さで、アズレージョなど贅をつくした装飾や、ほとりに写る建物の美しさは言葉に尽くせないほどだ。

この建物は以前サン・テルモ宮殿の庭園の一部だったところに、1929年セビージャで開かれたイベロ・アメリカ博覧会の会場として、アンダルシア地方の典型的建築様式ムデハル様式で建てられた。
同年、バルセロナ万博も開かれ、軍事政権の始まりであるプリモ・デ・リベーラ将軍が、国内産業の保護育成(経済的ナショナリズム)や積極的な公共投資によって経済を発達させた時期。その経済繁栄の象徴が、バルセロナ万博やスペイン広場だった
ムデハル様式とは、レコンキスタ(キリスト教回帰運動)後、残留していたイスラム教徒の建築様式とキリスト教建築様式が融合して生まれもの。建物の壁面に幾何学文様の装飾を施すのが特徴
スペイン各県の特徴や歴史的出来事を描いた絵タイルのベンチ(58設置)は人気のスポット
実は、スペイン旅行に際して、遠くスペインで日本語を勉強している若者Álvaro(アルバーロ)とメール友達になった。彼からスペイン語やスペイン情報を教えてもらって、わたしは日本語を教えていた。

そんな折、2020年のオリンピック選考会で東京がスペインに勝ち、「残念だったね」、とメールしたところ、「東京五輪をとても喜んでます。スペインの政治家は負債の国であるのにかかわらず、国民の健康や教育のためではなく、大きなイベントのために膨大な税金を使うつもりでした」という内容のメールが届いて、びっくりした。

たくさんの負債を負っている今は、オリンピックなどの一時的なイベントで膨大な税金を使うのではなく、着実に国民の健康や教育のために税金を使ってほしいというのが、スペインの一般的市民の考えのようだった。
このスペイン広場もきっと膨大な税金を費やしたに違いない。その意味でも、ちょっと考えさせられる建物だった
狂気のような男性フラメンコに陶酔「タブラオ エル・アレナル」(2013.10.7)
「エル・アレナル」は17世紀の建物を改装した人気の「タブラオ」。「タブラオ」とは板を意味して、昔、フラメンコが板の上で踊っていたことからフラメンコを見せるレストランや居酒屋を「タブラオ」というようになった。

ところで、今までずっと、フラメンコはフリフリのフラメンコ衣装を着た女性が踊るものだと思っていたが、長身の男性が踊る狂気がかったフラメンコにすっかり魅了されてしまった。

フランメンコは、「カンタオール」と呼ばれる歌い手と、「ギタリスタ(ギター奏者)」、「バイラオーラ(男性はバイラオール)」と呼ばれる踊り手が三位一体となって作られる舞台。

「トケ」というフラメンコギター演奏が奏でる中、「カンタオール」の歌が揚々と歌われ、「パルマ」という手拍子がリズムを刻んでゆく。その「パルマ」が徐々に鋭く、速く、歌や曲を盛り上げて行くと、長身の男性の「バイラオール(男性の踊り手)」が手を鋭く振り上げ、これ以上は刻めないという最速の速さで靴底を床に叩き続けて踊り狂うのだ。もう、こちらも息がつけないほどの衝撃的なフラメンコだった。

踊りの妨げにならないよう、拍手の時に(踊りが終わった時や始まりの時に)撮影したので、これという画像は撮れなかったが、その分、生(なま)の目で思い存分、フラメンコを楽しむことができた。

ただ、この本場のフラメンコを見てしまったら、もう他の所ではフラメンコは見れないだろうなと思っている(^^;)
食事を他で済ませてドリンクのみの予約(日本で予約)だったが、座席は真ん中だった。額のある前が舞台 最後はライトも明るくなって、拍手に応えるように、総出でフィナーレを飾ってくれた
あの最高だった狂気の男性フラメンコ「バイラオール」の写真がうまく撮れなかったので、「エル・アレナル」を紹介しているサイトから画像を拝借。パンフレットにも彼の写真が載っているところをみると、看板バイラオールかもしれない。
「エル・アレナル」のタブラオに行く場合はマエストランサ闘牛場をめざすとよい。

ところで、誤解されてはいけないので、敢えて書くと、女性フラメンコ(バイラオーラ)も見事なフラメンコを披露してくれた。ただ、余りに彼の踊りがすごすぎたのだと思う(^^;)。あんな細身の体の、どこにあれほどのすさまじいエネルギーがあるのか、不思議で仕方がない(^^;)
<セビージャ> グアダルキビール川のほとりを歩いて(2013.10.7)
世界遺産など観光巡りももちろん好きだが、何気ない場所でその国の人たちの中へスーッと溶け込む時のほうがもっと好きなので、旅先では、散策が大切な楽しみのひとつになっている。

セビージャでは、グアダルキビール川の、スペイン広場に近い「ヘネラリシモ橋」から、夜行バスが出る「プラザ・デ・アルマス」まで、30分弱の遊歩道の散策を何度か楽しんだ
グアダルキビール川の通行税を徴収するための監視塔だった「黄金の塔」。昔は黄金のタイル張りだった 大小のクルーズ船やカヌーが静かに行きかう。カヌーはこの先のところにレンタルショップがあって、若い人たちに人気のようだった。アンダルシアでは10月でも夏並みの暑さなのだ
川べりを散策すると、マエストランサ闘牛場が見えてくる。ちょっとイスラムの建物を連想させる造りだ。スペインの本格的な春はこの闘牛場から始まるといわれている。道路では馬車も普通に走っているところがおもしろい 川べりでギターに興じる若者たち。ビール瓶があるところを見ると、夕方のリラックスタイムかもしれない
<セビージャ> サンタ・クルス街(ユダヤ人街)(2013.10.7)
かつてユダヤ人が住んでいたサンタ・クルス街に向かって、かなり距離はあるが、スペイン広場から歩くことにした。アルカサル公園を抜けて、もうそろそろあるはずと思うが、いつまで経っても見つからないので、行きつ戻りつでモタモタしていたら、自転車に乗った女の人が声をかけてくれた。

突然の日本語でまずびっくり。日本からセビージャに移り住んでもう長いという(10年とか言っていたような(^^;))。アルカサルの公園入り口(真ん中の画像)まで戻ってから、曲がると一番わかりやすいと教えてくれた。
一度、公園入り口まで戻り、右折すると、今度は簡単に「サンタ・クルス広場」の文字を見つけることができた
昔ながらのこじんまりとしたフラメンコを見せるタブラオ 裕福そうな門構えの中の玄関はみごとなアズレージョ
1492年にユダヤ人が追放され、その後は貴族など裕福な人たちが住みついたという。細く入り組んだ道の両側には、赤や黄色のラインで塗装したデザインが多い。少々歩き疲れたため、ここは早々に退散した
<セビージャ> アートのような落書き三昧(^^;)(2013.10.7)
グアダルキビール川の川沿いでもたくさん素敵な落書きを見つけたが、夜行バスが発着する「プラザ・デ・アルマス」の建物に書かれた落書きはもう落書きの域を超えていた。余りに広範囲だし、絵柄もダイナミックだし、ひょっとしたら、「落書き」ではなくて、公認の「ペインティング」なのかなとも疑っている。
左が、セビージャからリスボンへの夜行バスが出発する「プラザ・デ・アルマス」
右が、「プラザ・デ・アルマス」の建物の陸橋部分の落書き。こんな感じのロゴの落書きが圧倒的に多い
「プラザ・デ・アルマス」の建物の裏側いっぱいに描かれた落書き。見つけた時は思わず小躍りしてしまった(^^;)
最後の一枚だけが、グアダルキビール川の遊歩道で見つけたもので後は全て「プラザ・デ・アルマス」の近辺のもの。ともかく、わざわざこの落書きを見に行くだけの価値はあると思う(^^;)。
この日はセビージャから夜行バスに乗り、リスボンへ向かうが、リスボンもまた落書き天国らしい。どんな落書きに出会えるのかなと思うと、楽しみだった
<セビージャ> 素敵なセビージャのホテル「Hotel Europe Seville」(2013.10.6-10.7)
1人約5000円と安い料金にもかかわらず、家具も設備も素晴らしかった「Hotel Europe Seville」。過ごしやすかったし、フラメンコの「エル・アレナル」には5分ほど、カテドラルへは2、3分と立地もよかった

次は  8 リスボン⑭世界遺産シントラとファドへ

1 スペイン旅行情報 2 バルセロナ前編 3 マラガ 4 グラナダ
5 白い村ミハスなど 6 コルトバ 7 セビージャ 8 リスボン
9 トレド 10 マドリッド 11 ピラール祭り・サラゴサ 12 マジョルカ島
13 バルセロナ後編 14 えとせとら 15 空港ラウンジ紹介

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