ダイビングする日本人は私とカップル1組のみ。後は全て外人。この島は日本のツアーに紹介されていない為、日本人が少ない
フィッツロイ島を選んだのは、グリーン島は有名すぎて混雑していると聞いたからだ。ケアンズから船で45分、往復でたったの$36というのも驚きだった。

スーパーで調達したパンとマンゴージュース、そして、偶然見つけた地元のバザールで値切って買ったシュノーケル($10)を持ち込んで、フィッツロイ島にやってきた。

海岸を歩くと、不思議なことにチリンチリンと金貨のような音がする。足元を見て、納得した。砂も石もなく、海岸を埋め尽くしていたのは全て手に取ると軽い珊瑚礁の片割れだった。フィッツロイ島が珊瑚礁でできた島だということを思い知る。

島をぐるりと動く黒い帯が囲んでいる。カモメが急降下して、その黒い帯に首を突っ込んだかと思うと魚をくわえて飛び立つ。ほとんど入れ食い状態だった。澄み切った海水をのぞきこむと、そのまま魚の形が見て取れた。海の底まで見通せるこの澄み切った海の中へまさか実際にもぐり込むとは、この時までは思ってもいなかった(^_^;)。
この黒い帯はなんと「動く魚の群れ」 余りの透明さに魚の姿がそのまま透けて魚の帯となる
◆初ダイビング体験記◆

息も詰まりそうなウエットスーツに身を固め、3つも鉛の重石が付けたベルトを付けられ、最後に酸素ボンベをかついだ時は本気でよろめいた。まるで鉄骨のロボットに変身した気分だった。潜水時の注意やハンドシグナルを習う。特に耳抜き(外圧と内圧の平衡を保つため、1mごとに鼻をすまんで口を閉じ、ゆっくりと息を送り込む)は耳の悪いわたしには一番のネックだった。

ダイビングにトライするのは日本人の若いカップルとわたしだけ。インストラクターの女性が大阪弁でおもしろいことばかりしゃべるので、笑って聞いていたが、ま、笑っていられるのも今のうちだなと内心では思っていた(^^;)。

全ての準備が整い、足を開いて、そのまま直立の格好で海へ飛び込めと言われ、仕方なく飛び込む。空気でふくらんでいるベストのお陰でなんなく浮いたが、すぐにベストの空気を抜かれる(^^;)。

言われたとおり、綱を頼りに1mごとに耳抜きをして、海面にもぐっていく。耳のまわりをわたしの吐き出した息が泡となって勢いよく上っていく。うるさいほどの音だ。

目の前は海の中(当たり前(^^;))。初体験のせいで呼吸が荒い。1回目の耳抜きと水中メガネに入った海水を、息でぶっと吹き出す作業と、マウスを一旦口からはずして、もう一度くわえて「トゥッ!」とマウスに入った海水を勢いよく外へ吐き出す作業を行う。

インストラクターの女性がOKサインを出す。そして、「待て!」のハンドシグナルが出たので、わたしは周りをキョロキョロ眺め始めた。

ところが、いつまで経っても後続のカップルが下りてこない。しばらくしてから、カップルの彼女がギブアップしたらしく、彼氏だけが下りてきた。彼は元々ライセンスを持っていたので、お陰でその後、インストラクターを独占することができて、綱から離れ、彼女と手をつないで、思い切り海の中を魚と一緒に泳ぎ回ることができた。

面白い魚を見つけると、彼女が指さして教えてくれる。足ひれの操作は二日前のシュノーケルでマスターしていたので、彼女に導かれるまま、わたしは完全に魚と化し海の中を時間を忘れて泳ぎまわっていた。

海には詳しいつもりだったが、紫や青のテーブル珊瑚に驚き、そして珊瑚でできた岩山にたむろする黒鯛やカラフルな魚に見とれていた。もし、モリを持っていたら、山盛りの串ざしを作っていたと思う。とにかく、初めてのダイビングはわたしを有頂天にした。次回の旅先もきっともぐれる所になるだろう(^−^)。

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