7人兄弟の末っ子の女の子。こんなに小さい体で馬の足元をくぐって、乗馬のお手伝いをしてくれた。

クライストチャーチ2日目、バルーン飛行が風で中止になり、することもないので馬にでも乗ろうか、という軽いノリだった。
乗馬のアクティビティを申し込み、連れて行かれた先は古びた農家。
はだしの子供が馬の足元の間をぬって、台を運んだりしてお手伝いをしている。
なんだかパンフレットのイメージとはかけ離れているなぁ、と思いつつも、馬に乗せてもらう。

いきなり視界がとんでもなく高くなる。
足を無理やり輪ッかにかけ、鞍に張り付いたとたん、出発になった。
見る所もない松林の間をぽっくりぽっくりと無言の一行が続く。完全に歩いた方が早い。

時折、わたしの馬が道端の草を食べるので、そのたびにわたしはずり落ちそうになる。必死でしがみついていたら、突然、上を向き、ブルルンといななき、首を振り上げた。

わたしは悲鳴をあげ、体は鞍からずり落ち、足はむなしく宙を舞った。
腕の力でかろうじて鞍にぶら下がり、ムチャクチャな勢いで鞍の上によじ登った時には怒りと後悔で、顔がひきつっていた。

わたしの馬は草を見ると列から飛び出し、意地汚く、食べ出す。

しかも道がアップになったり、ダウンしたりすると、わたしを振り落とさんばかりに勝手に勢いをつけて歩き出す。

ほとんど苦行そのもののぽっくりぽっくりが延々と続いた。
こちらも乗馬をする農家の兄弟姉妹

ひたすら松林が続く中、見るものもないので、仕方なしに、前の馬がしっぽを振るたび、ポタポタと落とす「ぼた餅」のウンチを目で追っていた。
一回にいくつ「ぼた餅」が出るか?どどどっと山のように出るので数えるのは難しかった。ぽっくりぽっくり、ポタポタポタポタ...

と突然、松林が途切れて、白い波が目の前に飛び込んだ!
わたしは一瞬、何が起こったのかわからなかった。
乗馬のアクティビティで、まさか海へ出るとは思ってもみなかったのだ。

毎日クイーンズタウンで湖ばかり見て暮らしていたので、久しぶりに見る海に心も躍った。
寄せては返す白い波を見ながら潮の香りをお腹一杯に吸う。
あ〜あ、なんておいしいんだろう!

波打ち際を歩くので、馬が砂浜に足を踏み出すごとに、ひづめの回りに丸い輪がすぅーと浮かんでは消える。
わたしの馬も砂浜で歩きづらいのか、はたまた食べる草がなくなったせいか、すっかりおとなしくなって、前の馬に付いていく。

馬との格闘で汗ばんだ体を、ひんやりと心地よい潮風がさます。
わたしは何度も何度も潮風を胸一杯に吸い込んだ。
ニュージーランドの海はどこまでも青く広く、白い砂浜は左右一直線に延々と拡がっていた。
乗馬:$45 2時間(但し、この時は3時間近く乗った)。
馬から下りて、しばらくはお尻が痛いです。
歩き方も完全に「がに股」になります(^_^;)。

次は 4 ホームステイで得たもの(未) 

1 バルーンで360度パノラマ 2 ローラインとの想い出 3 ぽっくりポタポタ乗馬体験
4 ホームステイで得たもの(未) 5 ブランチパーティ(未) 6 英語学校に挑戦(未)

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