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役人で書道家だったお義父さんは、若い頃から書や絵画を収集。そのコレクション267点を生前に一挙に小鹿野町へ寄贈しました。この度、お義父さんを偲んでコレクション寄贈品展が開催され、nabeさんとnabeさんジュニアと三人で寄贈品展をのぞいてきました。このページでは展示品の一部のみ、紹介しています。
(※左下の写真はお義父さんお気に入りの笑顔です(^^))。
福王寺法林の「赤富士」、鈴木春信の「美人画」、佐藤太清の「桔梗(ききょう)」など、そうそうたる作品群もさることながら、日本の辞書の始まりとも言われる清朝の時代に編纂された「康煕字典」など貴重な蔵書や李朝の陶器、日本を代表する陶芸家たちの壷や工芸品、そして、版画、日本画、洋画と、コレクションの幅の広さも驚きのひとつでした。

画家になりたかったお義父さんの夢や、美しいものが大好きだったお義父さんの芸術への思い入れがコレクションの中に投影されているのかもしれません。
2009.10.1up 渡辺京子
藤田嗣治(つぐはる)の版画「ねこ」。照明の明かりによる撮影なので、明るさの修整をかけると、色味が若干異なってしまいました。ソフトな色合いの中にくっきりと浮かび上がるねこの凛とした表情が印象的でした。
藤田嗣治:日本やフランスで著名な画家・彫刻家。猫と女性を得意な画材として、日本画の技法を油彩画に取り入れつつ、独自の「乳白色の肌」とよばれた裸婦像などは西洋画壇の絶賛を浴びたという
サルバドール・ダリの「フォンティーヌの肖像」。250枚刷りの内の200番目の版画。まるで書きなぐったかような線。接写してレンズからのぞいていると、まゆ毛辺りに文字が隠れていそうで、思わず望遠レンズで拡大してじっと観察してしまいました(^^;)。
ダリ:自分の制作方法を「偏執狂的批判的方法」と称し、写実的描法を用いながら、多重イメージなどを駆使して夢のような超現実的世界を描いた。露出狂的な奇行でも有名
文化勲章受章の日本画家、福王寺 法林の「赤富士」。法林の作風は、剛直さ、純情さ、直情的で粘りのある挑戦、そして「気宇壮大」といった言葉が用いられているそうです
江戸中期活躍した浮世絵師、鈴木春信の「美人画」。流れる曲線と、朱と鬢のコントラスト。江戸時代の作品を前にしばし沈黙 四条派の写生体を基本とし、『画室の客』『冬田』などが代表作の金島桂華の作品
花鳥画と風景画を融合させ、独自の「花鳥風景画」を確立した佐藤太清(たいせい)の作品「桔梗」。全く新しい画期的な日本画として絶賛され、文部大臣賞、日本芸術院賞をダブルで受賞したことでも有名。文化勲章受賞 大胆かつ明快な画風で新しい日本画を生み出した昭和の日本画家・山口蓬春(ほうしゅん)の「獅子」。文化勲章受賞
初めてお義父さんに絵を見せて貰って以来、ファンになってしまった小川芋銭(うせん)。生きていく上で、芋を買うお金さえあればいいと名づけた名前だそうです。「馬と河童」、ひょうひょうとした絵柄からほんわかと温かい気持ちが伝わります(^^) 日本の自然をこよなく愛し、数多くの風景画を描いた昭和の重文作家・川合玉堂の「糸瓜」。西多摩の玉堂美術館は有名
著名な作品群の中、目を惹いた横尾芳月の「美人画」。目黒雅叙園の美人画作成にも貢献したそうです
鯉のウロコの余りのリアルさに望遠レンズ越しにまたまた見とれてしまいました(^^;)。松浦満の「錦鯉」 荒削りの大胆な技法で背景の省略された処理の巧みさと、伝統的な写実性を兼ね備えた風格ある画風が特徴の岡田又三郎の「雪の峠道」。日本芸術院会員

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