人だかりをかき分けて12台の山車と屋台が忽然と姿を現わし、熊谷囃子で競い合う「叩き合い」。
小太鼓や太鼓、ドラの単調な音が激しく交じり合って、ちょうちんの明かりに浮かび上がった山車や屋台を一層浮き立たせていました

「山車(だし)と屋台(やたい)の見分け方」をちょっと紹介しますね。
山車は神様が天から降りてくる目標の山:標山(しめのやま)すなわち移動神座が起源。
だから天空と直結するよう最上部に屋根がないとのことです。
うちわ祭りの山車も武家装束の人形が天を仰いで立ってました。
一方、屋台は舞台で芸能を行うことを目的としているため、屋根をつけるとのこと。
ただ江戸後期頃から山車と屋台が融合し、現在のような形になったそうです。

左が屋台(やたい)で、右が山車(だし)。
うちわ祭の屋台や山車のおもしろい特徴として、「梶」があります。
3輪車の前輪の後ろの長柄の中に吊るされたシート(腰掛け)に
座った人が前輪についているハンドルを回して梶を取るそうです。
屋台(左)の前車輪は止まっている時は横向きになっています。

実はうちわ祭には踊りがありません。裃(かみしも)をつけた先陣が通り過ぎると、次にちょうちんを持った女性陣が進み、次に男たちに引かれた屋台が現れます。
踊りがない分、華やかさにちょっと欠けるかな?(^_^;)

と思っていたら、山車や屋台のお披露目が終わり、「叩き合い」の時間が近づくと、ちょうちんの明かりが際立ってきて、様相も豹変。
屋台を引く手にも力がこもり、熊谷囃子の音がひときわ激しくなってきます
この祭にも若い女性の姿が目立ってました。右側でドラを叩いていた女性はフラッシュに気づくと、わたしに満面の笑み(^^)。ピンクの花柄のももひきが可愛かったです

人垣をかき分けて、続々と山車や屋台が集結。ここは17号線の交差点。囃子のリズムに激しさが増し、互いに「叩き合い」で威嚇し合います

「叩き合い」を写したくて、デジカメ片手にウロウロと後ろのほうで背伸びをしていたら、裃をつけたおじさんが「こっちへ来て写しなさい」と言って手招きをしてくれ、思いがけず屋台のまん前で撮影することができました(^o^) 

熊谷の着付けはちょっと独特。わらじをはいて、膝下あたりに細いしめ縄を巻いてました。
また、腰の伊達巻きがやたら幅広でお尻をすっぽりと包んだ人が多かったですね

興に入ると、太鼓の叩き手が一瞬のま、中腰になり、手を止めるんです。その瞬間が何とも言えず、何度か狙ったのですが、その一瞬を収めることはできませんでした(^_^;) ちょうちんの明かりで浮かび上がる緑の天女。この天女にも中国らしい文化を感じたのはわたしだけ?(^_^;) 山車も屋台も、町名が呼び名となっています。闇に浮かぶこの山車は威勢のよかった「仲町」の山車でした。



おまけの2コマです(^_^;)

出番を待つ山車や屋台が町の至る所で待機していて、また見つけた!と喜び勇んで駆け寄ったら工事の車両でした(^_^;)。横でおばさんがのんびりとホースで水かけをしてました ビール片手に「叩き合い」に見惚れるわたし。後ろの出店で買った山盛りのキャベツの千切りが入った四角い「広島風お好み焼き」、もう一度食べたいかも(^−^)

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