2018.9.18〜2018.10.10(23日間)
ニューヨーク/ロサンゼルス/フィラデルフィア メキシコサンミゲル/メキシコシティ/イスラ・ムヘーレス/カンクン
19 2018年アメリカ&メキシコ23日間個人旅行のえとせとら


エンゼルスの大谷選手の人気が半端ない

今回の旅行で、nabeさんが一番楽しみにしていたのがエンゼルスの大谷選手を見ること。
そのため、オハイオのエンゼル スタジアムのチケットを2回分購入した。
雨が降ったら、試合は振替となり、日程に限りがある旅行者はチケットがパァーになる。
MLB観戦はいつも賭けだった(^^;)。

ところで、大谷選手がバッターボックスに立つと、ファンの応援が半端じゃない。
「オオタニサァーン」と口々に連呼するファンたちと一緒に、
大谷選手の一挙一動を目を凝らして、眺めた。

2018.9.25のゲームでは、ここぞという時にヒットを飛ばし、
得点に貢献し、エンゼルスは見事レンジャーズに勝った。

そして、2018.9.26の試合では、大谷選手はカーンという音と共に
ホームランをかっ飛ばし、エンゼルスはサヨナラ勝ちをした。
エンゼルスファンが大谷選手に参ってしまうのも当たり前だった。

今回、もうひとつ、大きな幸運に恵まれた。
わたしたちが大谷選手を見た後、かねてから懸念されていた右ひじ靭帯手術が決まった。
万が一、手術が早まっていたら、nabeさんは大谷選手のいないエンゼルスを
寂しげに応援するハメになっていたはずだ。
nabeさんの「大谷選手のホームラン(2018.9.26編)」
https://www.youtube.com/watch?v=4B7mDM4yZtE
※いつもならnabeさんのUチューブは10回足らずのカウントなのに、
「大谷選手のホームラン」は一気に1000回越えで、ここでも大谷選手のすごさを再認識(^^;)。


囚人服のトランプ

NYには、貨物列車の線路をリノベートした素敵な空中公園がある。
空中公園ハイラインは、ビルの合間をかいくぐり、
NYのビル群の裏の表情が垣間見えたりして、おもしろい。
わたしも再訪してしまったぐらい、今、人気のスポットだ。

空中公園ハイラインでキョロキョロしながら歩いていたら、一瞬、目が点になった。
縞々の囚人服を着て、手錠をかけられたトランプが飛び込んできたのだ。

ビルの頂上に堂々と飾られた囚人トランプを見つけて、
思わず、拍手喝采してしまった

デモで過熱するメキシコ人の怒り

今回のメキシコ滞在中の10日間に3回もデモに出くわした。
1回目は、広場に舞台を設置していたので、コンサートでもするのかなと
翌日、楽しみに出かけたら、労組のデモで、バンドはデモのための演奏だった。

※UNIONのデモ

2回目のデモはちょうどフィラデルフィアのオプショナルツアーの最中だったので、
デモを追っかけて、撮影することはできなかった。
デモ隊はプラカードなどを掲げて、行進していた。

3回目のメキシコシティで見たデモは、すごかった。
人数も、規模も、シュプレコールの叫び声も半端じゃない。
<nabeさんのUチューブ>
メキシコシティの女性たちのデモ
上半身丸出しの女性までいて、慌てて、構えていたカメラを下ろした。
プラカードや、頬や、身体のあちこちに、女性マーク(♀)が描いてある。
「メキシコ全土で、安全で無料の合法的な中絶」を求めてのデモだった。

メキシコはまだ経済的に貧しい。
新入社員のサラリーが5〜6万だという。
(日本人ガイドの夕子さんからの情報)
独り暮らしのアパートの家賃がメキシコシティで45000円程かかるとのことだから、
働く若者たちがメキシコシティで生活するのは大変だろう。
なおのこと、女性たちの社会的地位は低い。

夜の路上で、お菓子などを広げて、小さな商いをするお母さんの横で
子供が一心にパンにかぶりついていた。
社会的に女性が恵まれないと、子供たちにしわ寄せが行く。

電車の中で下半身が奇形の身障者がわたしの足元を縫って、横切ったのでびっくりした。
街中でも、腕や足のない人たちが物乞いをしている。

メキシコ自身、経済にあえいでいるため、社会的に弱い者たちにしわ寄せが行く。
延々と続くデモ隊の女性たちの顔は、怒りに燃えていた。

アーミッシュと俗世の目に見えない壁

アーミッシュは16歳になると、一旦、アーミッシュの村から、外の世界へ出ることが許される。
そして、成人を機に、アーミッシュに戻るか、俗世で暮らすかを
選択するチャンスが与えられるのだ。

ほぼ大半がアーミッシュに戻って来るという。
それには、アーミッシュの生活がよいから戻るという表向きの理由もあるが、
実は、ちょっと悲しい裏事情もある。
アーミッシュの学校は、特殊で、中卒程度の学問しか学べず(高校や大学へ行くことは許されない)、
しかも主流言語はペンシルベニアダッチという特殊な言語なのだ(もちろん英語も学ぶが)。

所詮、アメリカの現代社会で就職し、社会生活を送るのは無理なのだ。
アーミッシュと俗世の壁は思った以上に高い。
アーミッシュを完全に理解するには、互いの壁をなくして行き来することだろうが、
残念ながら、そんな日は来ないだろうな、と思う。

ロスとメキシコの浮浪者事情

ロサンゼルスは2度目の訪問だ。
2014年、初めてロスに入った時、浮浪者(ホームレス)が多くて、びっくりした。
できるだけ浮浪者が少ない道を探して、歩くようにした。

そして、4年後の2018年、ロスを再訪したら、浮浪者事情は以前のままだった。
※左手に天使のマリア教会を臨む道路脇は浮浪者たちのたまり場

浮浪者というと、年寄りで、不法滞在者のようなイメージがあるが、
ロスの浮浪者は、若くて金髪の健康そうな浮浪者もいる。

道路に寝そべっている若い金髪青年を横目で見ながら、
思わず、「働け!」と叫びたくなる。
バックパッカー崩れの、安易に道路を家代わりにした
緊迫感のない浮浪者たちなのだ。

メキシコの浮浪者は明らかに事情が違っていた。
食べるのも、生き抜くのさえ大変そうな疲れ切った浮浪者たちだった。

そんな浮浪者が夜になると、公園の石のベンチに鈴なりに寝ている。
その数が半端ではない。
怖いというより、死体が転がっているようで不気味だった。

なぜ、アメリカンコーヒーは薄いのか

ペンシルバニアに住んでいるガイドの夕子さんから
いろいろとおもしろい話を伺った。

夢をもって、新大陸アメリカに移住してきた移民たちによって、
アメリカは開拓され、その新天地を巡って、仏と英に戦争が起きた。

英が勝ち、アメリカにさまざまの税金をかけるようになった。

住民たちの間に不満が勃発し、結局はお茶以外の税金は
取りやめられたが、お茶の税金に腹を立てた市民はお茶の不買運動を始めた。
紅茶の代わりにコーヒーを飲むようになったのだ。

飲み慣れた紅茶の味覚に近づけるため、コーヒーを薄めにして飲むようになり、
こうしてアメリカンコーヒーが生まれたのだそうだ。

アーミッシュの崇高な愛

アーミッシュが育む「崇高な愛」をアメリカじゅうに知らしめる事件が起きた。

2006年、アーミッシュの学校に銃を持った白人が侵入し、
小さな子供たちに銃を向けたのだ。

すると、「小さな子供たちのかわりに、私を先に撃って」
と13歳の少女が勇敢にも前へ出て、撃ち殺されてしまった。

目の前で銃で撃ち殺される残虐なシーンを見たにもかかわらず、
今度はその少女の妹が、小さな子供たちを守るために前へ出て、撃ち殺された。

前に出た3人の少女たちのいたいけな行動により、
アメリカじゅうにアーミッシュの崇高な愛が知れ渡ることとなった。

実は、話はまだ続くのだ。

残忍な犯人に対し、アーミッシュは憎しみや報復を返したのではなく、
「許し」を返したのだ。アーミッシュは自殺した犯人と、その遺族を許すことを表明し
多くのアーミッシュが犯人の葬式に列席し、
犠牲者の葬式にも犯人の家族が列席したという。

攻撃には攻撃ではなく、攻撃に「許し」を返したアーミッシュ。
アーミッシュを語るのに、最も適切な事件かもしれない。
今は小学校は取り壊され、事件跡地にはアーミッシュの少女のメモリアルのために
メイプルの木が植えられているそうだ。

※画像はその跡地を見舞った吉田麻葉(マハ)さんのブログ「Down to Earth」より拝借しました

命がけの物売り

メキシコでは、車が交差点で止まると、前方から忽然と物売りが現われる。
ただでさえ車が多くて混雑している車の間を器用に歩いて、
チュロス(揚げた細長いお菓子)や、アイス、おもちゃ、タバコ、新聞などを
大声で売り歩くのだ。
よそ見をしているドライバーでもいようものなら、実に危険だ。
でも、彼らは何気ない顔で車の間で商いをしていた。

nabeさんが見た物売りは少年だった。
トラックの運ちゃん相手に、タバコ1本とお金を交換すると、
あっという間に車から離れたそうだ。

まるで違法ドラッグのやりとりみたいだったとnabeさんは言った。
「それか、あの運ちゃんはいつも買ってくれる、いい人なのかなぁ」と、首をひねった。
タバコを1本買うことで、その運ちゃんはきっと子供を助けているのだろう。

交差点で止まった車の前にいきなり少年が出てきて、びっくりしたことがある。
なんと、3つのボールでジャグリングを始めたので、更に驚いた。
命がけのジャグリングにお金をくれる人がいるのだろうか。

命がけの物売りがメキシコの普段の風景になっているのは、やはり侘しい。

と同時に、こういう逞しい行動力が、これからのメキシコを
どんどんと発展させていくのではないかなとも思う。

翻訳機「Langie」の活躍

ベルーサとおしゃべりがしたくて、出発前、慌ててアマゾンで翻訳機「Langie(ランジー)」を買った。
ボタンを押しながら日本語で話し、ボタンから指を離すと、スペイン語が出てくるのだが、
翻訳するたび、ベルーサたちは大笑いしていた。

nabeさんが安物を買うからだと言ったが、実はアマゾンで29000円もしたのだ。
結局、ベルーサたちとのおしゃべりで役立ったのは、
nabeさんのiPhoneのほうだった。

ただ、ランジーは会話には役立たなかったが、笑いを取るのに大いに活躍した(^^;)。

ところが後半、このランジーが俄然、威力を発した。
タクシーのドライバーさんとのおしゃべりで、
画面を見せるiPhoneは使い物にならなかったのだ。

あんなにランジーを馬鹿にしていたnabeさんは、タクシーに乗るたび、
いそいそとランジーを取り出し、ランジー片手に、
ドライバーさんたちとおしゃべりを楽しんだ。

この若いドライバーさんは、運転中にもかかわらず、
わたしたちがランジーで尋ねた答えを、今度は自分のスマホを使って、
スペイン語から日本語に翻訳して、
わたしたちとのおしゃべりを楽しんでくれた。

ランジーやスマホなどを使うと、言葉の壁を越えて、互いの気持ちを伝え合うことができる。
旅を大いに楽しむための素敵なグッズだと思う。

ランジーはオフラインで12言語、オンラインで52言語に対応している。
もっと使い方をマスターして、次の海外旅行でもぜひ役立てたいなと思っている。
※ランジーのお陰で、ドライバーさんたちとも仲良くなれた



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