2018.11.28
No.16

日経サイエンス「人は何歳まで生きられるか?}

思わず、日経記事のタイトルに目が引き付けられました。

人間の寿命に関して、科学的な研究が進んでいるんですね。特に、科学者たちがどんな要因が寿命を決めているのか、関心を持ち始めて、「寿命」という謎を解き明かす研究が活発になっているそうです。

現在の科学が想定できる人間の寿命の限界は?


※日経記事より(以下同様)
日本は世界に誇る長寿国。衛生環境や食料事情などが改善され、日本の平均寿命はどんどんと伸びています。「人生百年時代」も唱えられ始めてますよね。

でも、一体、人間は何歳まで生きられるのでしょうか?

老化に関する研究を長く続けている東京大学の教授によると、「現在の科学が想定できる人間の寿命の限界はおよそ115歳」だそうです。

通説では、120年説と聞きますが、最新の老化研究ではそれより5歳ほど低いようです。

長寿記録は?

国内の最高齢者は、男性で113歳、女性で115歳(11/20の時点)。

一方、世界で最も長く生きた人は、1875年にフランスで生まれた女性、ジャンヌ・カルマさん。なんと、122歳という記録を持っています。公的な記録で確認できる、120歳を突破した唯一の人だそうです。

2017年の日本人の平均寿命は?

厚生労働省によると、2017年の日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性87.26歳とのこと。

想定される最高年齢とは20年以上の開きがありますよね?
科学者たちは、そこに何か、長寿を実現する特別な理由があるのではないかとにらんでいるんです。

今、注目されている「Sir(サーチュイン)2」

東京大学の教授によると、今、科学者の間で、「Sir(サーチュイン)2」が注目されているとか。

細胞が分裂する時、遺伝子情報が書き込まれたDNAは同じ情報をもつ複製を作るのですが、その過程でわずかに傷がついてしまうそうです。この遺伝子「Sir2」は、DNAに傷がつかないよう複製を調整する機能をもっています。「Sir2」と同じような仲間の遺伝子は、人の場合、7種類発見されているそうです。

では、「Sir2」がうまく働ないとどうなるのでしょうか?
Sir2がうまく働かない酵母を使って、寿命を調べると、DNAの一部がもろくなって、通常の酵母の半分の寿命になったそうです。逆に、Sir2の数を増やした酵母では、寿命が延びたそうです。

つまり、Sir2は、長寿にかかわる有力な遺伝子のひとつだということがわかります。

サルによる実験では、カロリー制限をすると、この「Sir2」の遺伝子が活発になり、健康に生活できる期間が長くなったという報告もあるそうです。

寿命に関わるもう一つの遺伝子「テロメア」

寿命に関わる遺伝子としては、DNAの末端部分にある「テロメア」も有名です。
テロメアは細胞が分裂するたびに、少しだけ短くなります。

人間の場合、50~60回分裂すると、テロメアはそれ以上短くならないため、細胞分裂ができなくなり、それが老化に繋がると考えられています。

Sir2やテロメア以外の寿命に関わるものは?

身体の中には、新しい細胞を作り出す幹細胞があって、Sir2やテロメアだけで寿命が決まらないこともわかっています。

現在では、ひとつずつの寄与度は小さいものの、複数の遺伝子が寿命に影響を与えているという説が有力で、その数は約300種ほどあるそうです。

老化細胞は寿命に貢献している?

細胞単位で老化現象をとらえ、寿命との関係を探る研究も出てきました。
大阪大学の教授は、ストレスがかかって増殖しなくなった特殊な細胞「老化細胞」を調べています。

通常の細胞は、異常を起こすと、自ら死んで、壊れるか、免疫細胞に食べられて、体内からなくなります。

ところが、老化細胞はなぜか体内にとどまるんだそうです。

老化細胞は、身体の構造を保つため、「寿命を延ばすほうに寄与している細胞ではないか」と考えているそうです。老化細胞が寿命を延ばしているなんて、不思議ですよね。

老化細胞が生まれる時に働く遺伝子は突き止められたものの、まだはっきりとした機能は見つかっていないそうです。

老化細胞と病気との関連

老化細胞は、炎症を起こすさまざまな物質を周囲に出します。その量が増えると、がんや認知症など加齢に伴う病気の引き金になるとみられています。

今後の老化細胞と病気との関連の研究に期待が持たれています。

食事や運動などの生活習慣と寿命

寿命を決める要因は、遺伝的な要素とともに、生活習慣の影響が大きいそうです。

台湾で約40万人を対象に、平均8年間追跡した調査があります。
一日の運動時間が15分増えるごとに、死亡リスクが4%ずつ減ったそうです。1日100分以上の運動をしても、効果は変わらなかったそうです。つまり、100分以下の運動を毎日行うことが寿命に大きな影響を与えるということがわかると思います。

米ウィスコンシン大学では、アカゲザルの食事量と老化関連死を20年以上追跡調査しました。
満腹になるまで食べたグループと、約7割の留めたグループを比べ、7割のグループのほうが心臓病やがんの発症率が半分にとどまったそうです。

つまり、摂取カロリーや運動量が老化に大きくかかわっていることがわかります。

「腹八分目」・・・食べすぎをやめなくちゃ、と遅まきながら、決心したところです(^^;)(^^;)。

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