2015.9.3
No.18

「看護師が一貫して行う在宅介護」とは?(日経記事)

介護大手のセントケア・ホールディングが、看護師が介護計画の作成から、実際のサービスまで一貫して手掛ける訪問介護を始めるそうです。

現在は、在宅介護の場合、計画とサービスが分業体制になっていますが、セントケア・ホールディングの新たな試みでは、計画とサービスを同じ看護師さんが担当することで、「要介護者を自立に導きやすくなる」と見込んます。

現在の日本の介護保険制度では、要介護者を自立させても事業者の売り上げにはつながらない制度となっていますが、厚生省は、要介護者の心身の状態が改善したかどうかを、事業者に支払う介護報酬に反映させる検討に入ったことも、セントケア・ホールディングの新たな試みの要因になっています。

要介護者を自立させるための介護、これこそが一番望んている介護だと思います。介護も少しずつ、制度が見直されています。どんな風に介護制度が変わりつつあるのか、日経記事をもとに、取りあげてみました。


セントラルケアが目指しているオランダの在宅介護

セントラルケア・ホールディングが目指しているのは、オランダの企業大手の「ビュートゾルフ(アルメロ市)」が手掛けるサービスです。

オランダのサービスでは、訪問看護ステーションの看護師が介護計画から介護や看護まで一括してサービスを提供しているそうです。計画からサービスを一括して提供することで、過剰なサービスを抑制することができるとか。

また、訪問介護や地域住民による互助を通じて、要介護者を一定期間で自立させることを目標としています。

介護者や、その介護者の家族の人たちにとって、一番喜ばしいことは、介護者が自立できるようになること。自立できるように手助けをする介護こそが、ベストの介護ですよね。

では、在宅介護をするための「訪問介護」について、紹介します。

ホームヘルパーさんの訪問介護と、看護師さんの訪問介護の違いは?

通常言われているホームヘルパーさんの「訪問介護」は、身体的な介護や生活の介護、入浴や排泄などの介護などで、医療行為は行わず、高齢者の方が自立していくための生活援助を行っています。

セントラルケアが目指している在宅介護では、看護師が在宅の要介護者を訪ねるので、病状の観察や床ずれの手当て、点滴や注射といった医療処置まですることができます。

もちろん、身体介助も担います。報酬はサービス提供の時間に応じて発生し、掃除などの生活支援サービスまで丸ごと提供してもらうことができます。

つまり、入院や通院をせずに、自宅で医療を受けられ、且つ、掃除などの生活支援まで受けることができるとは、画期的なサービスであるとともに、ホームヘルパーさんの訪問介護とは大きな差があります。

今後、高齢者だけの世帯も増え、老老介護もますます、増大していくはず。入院や通院をせずに自宅で医療を受けられる看護師さんによる「訪問介護」の利用は今後拡大していくものと思われます。


一般の介護保険サービスの問題点

一般的に介護保険サービスは、分業制で、ケアマネージャー(介護支援専門員)が介護計画を作成します。訪問看護や訪問介護など、各担当者を集めて、会議を開き、計画を作ったり見直したりしています。

ただ、分業にしているため、情報がうまく共有できないなど、他の職種との連携が進まないと、最適なサービスに結び付かないという課題がありました。

要介護者と接する看護婦なら、認知症の兆候や心身状態の変化を把握しやすく、コマ切れになっている様々なサービスを一本化することで、情報共有の課題を解消することができます。

看護師が計画の作成にかかわるほか、ゴミ出しといった生活援助サービスまで丸ごと提供することができるとは本当に画期的なことです。

厚生省による、要介護者の心身の状態が改善した場合の、事業者に支払う介護報酬への反映は、今後、介護大手企業による、新たな介護モデル作りなど、将来の介護によい方向付けをするのではないかなと期待しています。

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