2015.6.22
No.13

認知症予防の臨床研究のへの期待(日経2015.6.13の記事)

東京大や大阪市立大の研究チームによる認知症発症を防ぐ治療法の新たな開発が今年の秋から始まるとの記事を発見。その情報をお知らせします。

認知症の中には、将来ほぼ確実に認知症を発症する遺伝子を持っている人がいるそうです。

今回はそういう認知症になる遺伝子を持っている「家族性アルツハイマー病」の未発症者の50〜60人の協力を得て、脳内にたまる原因物質の状態などを数年かけての調査が行われます。

認知症を発症する遺伝子というものがあるということも初耳ですし、「家族性アルツハイマー病」なんて病名も初めて耳にしました。

将来確実に認知症になる遺伝子を持っているなんて、なんとも残酷な話ですが、今回の研究はそういった遺伝子を持つ方々の協力の上に、研究が行われているということを知り、医学の進歩のために協力される方々に感謝したいなと思います。


日本のアルツハイマー型認知症について

アルツハイマーは大脳皮質にアミロイドβが蓄積し、その蓄積のために、神経細胞が死滅し、脳が委縮してしまう病気です。

現在、65歳以上の認知症の高齢者は約462万人。そのうち、約7割の人がアルツハイマー型認知症です。

つまり、アルツハイマー性認知症を克服することができれば、大方の認知症を防げるという夢のような話なんですよね。


どのような研究がされるのか?

脳内に「アミロイドβ」などのたんぱく質がたまるアルツハイマー病についての海外の研究では、これらの物質は、発症の20年以上前からたまりはじめると指摘されています。

つまり、アルツハイマーを発症する家族性アルツハイマー病の人たちを、発症前から調査することで、アルツハイマー病のメカニズムを研究することができるわけです。

発症前の脳内で原因物質がどのように蓄積されるかがわかれば、予防薬の開発にもつながります。

今回の行われる研究の前段階として、研究チームは平成13年12月から14年1月まで、全国238か所の「認知症疾患医療センター」の専門医や患者団体らに、家族性アルツハイマー病の実態調査を行っています。

原因遺伝子を持つ家系の人たちが少なくとも全国に434存在し、987人の患者がいることがデータでまとめられています。

家族性アルツハイマー病の方々の、まだ発症していない人たちや、発症してしまった人たちの脳を観察し、血液や脳脊髄液などの成分検査、心理検査を行い、アルツハイマー病発症の仕組みを分析します。
薬を投与して、効果を見る臨床実験も行うそうです。

研究チーム代表の大阪市立大名誉教授は「ほぼ確実に発症する十字架を背負った家族性アルツハイマー病の方々を助けたい。発症には人種差がある可能性もあり、日本の研究成果は国際的にも貢献できる」と話しています。

今秋の研究が実を結べば、人類の大きな福音となります。
今後、この研究が実を結ぶよう、大いに期待したいと思います。

※家族性アルツハイマー病について
70〜80歳代に多い一般のアルツハイマーとは異なり、発症時期は40〜50代の若年層に多い。
関係遺伝子は主に3種類あり、いずれも変異しており、そのうちひとつでも持つと、ほぼ確実にアルツハイマー病を発症するとされています。

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