2021.4.30
No.4


第5のがん治療法「光免疫療法」の治療対象拡大へ
がん治療は、@患部を切除する手術 A放射線 B抗がん剤が主流だったものの、第4の治療法として、小野薬品の「がん免疫療法」が2014年に登場。ただそれでも、治療できないがんがあり、そんながんの治療に期待されているのが、「光免疫療法」だ。

現在も、顔や首にできる頭頸(とうけい)部がんという難治性のがんには条件付きで認められているが、2022年4月に「光免疫療医学研究所」が設置され、今後は光免疫療法で治療できる対象が拡大されていくそうだ。

光免疫療法とは?

 
光免疫療法の手順はまず、がん細胞に結び付く抗体を患者に投与する。その抗体には、光に当たると、反応する色素がつけられている。がん細胞に結びつく抗体が体内のがんの周辺に集まったところで、抗体に光を当て、反応した色素部分に外から針を刺したり、内視鏡を入れたりして、近赤外線のレーザー光を当て、色素に科学反応を起こさせて、がん細胞を破壊するという仕組みだ。

光免疫医学研究所への期待

関西医大が設置する「光免疫医学研究所」は世界初の専門研究所。30人体制で治験などを勧めて、難治性の乳がんや、食道がん、子宮頸がんへの適用拡大をめざす。
内視鏡で体の深部にまでレーザー光を届ける技術や、がんを剛撃する免疫の働きを抑える細胞を狙い撃ちにする新たな薬剤の開発へと視野を広げるという。将来は8割のがん治療に使えるそうだ。

光免疫療法の利点は、他の治療法との併用ができること

 
光免疫療法の利点は、「何回実施しても、他の治療法の効果を妨げないこと。」
抗がん剤やがん免疫薬の効果が落ちないので、併用に適しているという。光免疫療法でがんを小さくしたうえで、手術で切除して根治を目指すという治療の選択肢が増えるのだ。

治療の影響が全身に及ぶ免疫薬や化学療法と異なり、光免疫療法はレーザー光を当てた部位だけで作用するのも利点。副作用が減れば、患者の生活の質の改善にもつながるからだ。

いずれ、光免疫療法の複数の治療薬を組み合わせた治療法が主流になるだろうと推測されている。

光免疫療法の欠点は?

実は、光免疫療法にも欠点がある。小児がんと希少がんは光免疫療法の治療には向いていないのだ。
一部の小児がんは抗体がくっつく目印となる物質が見つかっていない。また、希少がんも患者数が少ないため、薬剤の開発が遅れている。

また、光免疫療法の治療は高額となる。平均すると、1回の投与がおよそ400万円となり、公的保険を使うと、自己負担は1回で最大約30万円にもなってしまう。
今後の光免疫療法の薬剤への国の支援が必須だろう。

現在、約20人の研究者が光免疫療法の研究を進めている。新研究所の開設とともに、新たな研究が進み、がん治療に新たな局面が切り開かれることを切に願っている。

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