2020.5.27
No.9

ネット世論工作員の告白「動画を駆使し、70か国で暗躍」

※画像はネットより拝借
便利で早くて、世界を駆け巡るインターネットの世界に、「ネット世論工作員」が暗躍しているという記事を見つけた。あり得る話だとは思っていたものの、ここまで、大規模にネットが悪用されていたのかと思うと、ぞっとする。

では、日経5/27の記事で見つけたネット世論工作員の告白記事を紹介します。

韓国のネット世論工作員の告白

3月、過去の韓国の大統領選挙で、世論工作にかかわったという人物のインタビューだ。
この人物は、インターネットを使った口コミ代行業を請け負っていて、主要顧客は「政党」だとのこと。
金になれば、保守からも革新からも受注するという。

数十人のアルバイトを雇って、韓国で人気のSNS(交流サイト)の「ネイバー」や「カカオトーク」で。様々な投稿を書き込ませ、拡散させる。方法は「少し根拠を誇張して広める」とのこと。「1千万人のうち、10にんが信じれば十分に効果がある」と明かす。このようにして、金銭をもらって、偽ニュースで世論を操作するのだ。

世界でも広まるネット世論工作


実は英フォックスフォード大の調べによると、2019年に世界の70か国や地域で、ネット世論工作の形跡が確認できたそうだ。2年前の2017年と比べると、およそ3倍の規模だそうだ。

調査担当者によると、「欧米で選挙に使われたのをみて、多くの新興国が世論工作の技術を採用した」という。2019年にはウズペキスタンやインドネシアなどがリストに加わった。

現在では、新型コロナウイルスをめぐる国際世論を狙ったものもあるという。

新型コロナをめぐるイタリアでの中国による「ネット工作」

今年の3月、イタリアで中国関連の動画が拡散した。
内容は、ローマ市内で中国国歌が流れ、行きかう人々が「グラッチェ、チナ(中国よ、ありがとう)」と感謝を口にする動画だ。ちょうど、イタリアで新型コロナの感染者が急増し、中国が医療物資を送るなどの支援に動いた直後だった。

ところが、台湾の非営利団体「台湾ファクトチェックセンター」が映像を分析すると、音声や国歌は後から加えられたネット工作がされた動画であることが判明した。中国の工作員らによる「操作された動画」だったのだ。
中国では、動画サイトで影響力を持つ「インフルエンサー」を育てているとも言われている。

ネット工作を正すための世界の流れ

オックスフォード大の調べでは、動画や写真を駆使した世論工作が主流になりつつあるそうだ。
デマの蔓延を防ぐために「偽ニュース防止法」を整備する国も増えているが、政府による統制は、行き過ぎたメディア規制とも紙一重で、自由と統制のバランスは難しい。

米デューク大によると、2019年に世界のファクトチェック機関は188団体に上り、2017年から6割増えたそうだ。巧妙化する世論操作と、情報を正そうとする自浄力のしめぎあいが続いている。

情報を正そうとするファクトチェック団体によると、「ひとつひとつを、地道に処理していくしかない」という。
「今ほど、民主主義の底力が試されている時はない」、と記事は結ばれていた。

weekly top に戻る アイビーネットのtopページへ戻る