2019.10.19
No.8

年内にゲノム編集食品がスーパーに並ぶ?


※画像はネットより拝借(以下同様)
生命の設計図「ゲノム」を書き換える技術を利用した「ゲノム編集食品」の登録が10月1日から始まったそうです。

登録の届け出をすれば、販売も可能になるため、肉厚のマダイや血圧を下げる成分を増やしたトマトなどの食品が、年内にもスーパーなどに並ぶ可能性が出てきました。

気になるのは、厚生労働省へ届け出をすれば、食品には表示義務はないという点。つまり、私たちは知らずにゲノム編集食品を食べることになるのではないかと、ちょっと不安になります。

では、今回は、いろいろ懸念の残るゲノム編集食品についての情報です。

そもそも、ゲノム編集食品とは?

生物の設計図ともいえる遺伝情報(ゲノム)を自在に改変する「ゲノム編集」。作物や動物の品種改良を効率化したり、新しい機能を備えた食品を開発したりするなど、従来の育種や遺伝子組み換えに代わる新しい技術として、研究が盛んに進められています。

特に卵アレルギーの人には吉報となりそうです。
酵素を使ったゲノム編集技術で、主要なアレルギー成分を取り除くことに、世界で初めて成功し、これにより、卵アレルギーの人でも、卵を食べることができるようになったと期待されています。

ゲノム編集食品と、遺伝子組み換え作物との違いは?
上の図を見ていただけば、ゲノム編集食品と遺伝子組み換え食品の違いが一番よくわかると思います。

他から遺伝子をもってきて、組み込むのが「遺伝子組み換え食品」。「ゲノム編集食品」は、自分の遺伝子の一部を切り取るだけなので、自然界の突然変異でも起こることでもあり、安全だと考えられているのです。

たとえば普通のトウモロコシに、害虫に強い遺伝子を新たに組み込むと、普通のトウモロコシが、害虫に強いトウモロコシになりますが、これは遺伝子組み換えです。

これに対しゲノム編集食品は、例えば、普通のタイから筋肉の発達を抑える遺伝子を切断すれば、肉厚のタイが誕生します。実は、自然界でも放射線などの影響で遺伝子の一部が壊れ、新たな種が突然変異で生まれていることから、ゲノム編集食品は理屈上、この自然界の突然変異と同じだと考えられています。

では、一体、どんな食品ができているのか?

食欲抑制の遺伝子を壊して、肉厚のタイを作るゲノム編集が成功し、今は牛で同様の研究が進んでいるそうです。

また、血圧を下げる「GABA」という物質の生成を抑える遺伝子を壊し、GABAを多く含み、血圧を下げてくれるトマトの開発も進んでいます。

毒がなく、食中毒を起こさないいジャガイモも開発されています。

サバは共食いをしてしまうため、稚魚は1割しか残らず、養殖ができませんでしたが、ゲノム編集により「攻撃性」をなくしたサバを開発することで、生存率1割だった稚魚が4割にまで伸びたそうです。この研究により、サバの養殖も可能になっています。

今後、ゲノム編集がどんどんと活用されることで、食品の巾が増えるのは確実です。
ただ、安全性という観点からは、いろいろな問題が指摘されています。


ゲノム編集食品の安全性など、どんな問題があるのか?

実は、厚生労働省では、企業への届け出を求める前に、事前相談のシステムを敷いています。まず、事前相談で、専門家による、安全性審査が必要か、本当に品種改良に比べて、リスクが上がってないかをチェックしています。そして、安全性審査が必要という結果がでたら、企業に厳密な安全性審査を要求するので、安全性は保たれている考えられているそうです。

ところで、ゲノム編集技術は新しい技術です。まだわかっていないこともたくさんあります。まだわかっていないものを食品に適用して、それを流通させることに問題はないのでしょうか?

食経験のないものを食べることで、自分たちの世代だけでなく、子供や孫など、未来の世代にも影響します。
特に、今回のゲノム編集食品がスーパーに並ぶ時、表示をしなくてもよい形になっているため、知らず知らずに選んでしまう懸念があります。せめて、ゲノム編集食品を食べたくない人が食べずに済むよう、食品への表示は必要なのではないかと思います。

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