2018.8.4
No.11

がん社会を診る:「行動次第で運命を変えられる」(日経)


※画像はネットより拝借

がん運命論はまちがっている!?


※画像はネットより拝借
「がんには放置してよいものと、最初から転移があって、治らないものがあり、どちらかは運命的に決まっている」という考えについての、東京大学病院准教授の中川氏の反論が目に留まった。

「がんになることも、がんで死ぬことも自分の努力では変わることができない」という一種の諦観について、中川氏の反論が実に的に得ていた。

がんの原因のうち、遺伝はたったの5%なんだそうだ。だから、がんは「運命」ではなく、生活習慣の改善で発症リスクを半分程度まで下げられるという。また、がん検診によって、早期に発見できれば95%が治るのだという。

つまり、「がんは自らの行動でリスクをコントロールできる病気ですよ」、と中川氏は言っているのだ。

日常の問題に対する対処の仕方と、がんの関連を調べた大規模調査

日常の問題に対する対処の仕方と、がん発症やがん脂肪との関連を調べた大規模調査の結果も、中川氏の発言を裏付けられている。

全国の50〜79歳の日本人約5万5千人に、自記式のアンケートを行い、「日常の問題や出来事に対する対処の仕方」を尋ねた大規模調査だ。

約10年の追跡期間中に5241人にがんが発症し、1632人の人ががんで亡くなったそうだ。

アンケートの中の「対処の仕方」を、@計画を立てて実行するA誰かに相談するといった「対処型」と、B自分を責めるC避けて他のことをする、といった「逃避型」に大別して、回答とがん発症、がん死亡との関連を検討した結果、対処型の行動をとる人は有意にがん死亡が少なかったことが実証されたそうだ。

対処型行動をとる人では、早期のがんが有意に多く、検診でがんが発見されたケースが多かったことも確認されている。

対処型の行動をとる人は、逃避型の人に比べて、検診を積極的に受けることで、がんを早期に発見でき、結果的にがん死亡のリスクを減らすことができたのだと考えられるのだ。

国の「がん対策推進基本計画」

日本では、2007年、閣議決定された「がん対策推進基本計画」がある。
「がんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会」を目指す政府の計画だ。

要は、がんは、少しの知識と、それによる行動の変容で、運命を変えることができる病気であり、がんを知り、「積極的に行動すること」が大切だということを、中川氏は力説していたのだと思う。

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