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来月から「がんのゲノム医療」が保険適用になります! 日本が遅れをとっている「がんのゲノム医療」が、ようやく来月の6月から保険適用となります。 ただし、この保険適用のゲノム医療を受けられるのは、現状では、最適な治療法である「標準治療」がなかったり、効果が出なかったりした場合のみという限定がありますが、まずはゲノム医療の大きな第一歩になるはずです。 では、そもそも「がんゲノム医療」とはどんなものかについてから、紹介します。 がんゲノム医療とは?
がんができた部位ではなく、がんを引き起こした遺伝子の変異に着目するため、肺がん向けの薬が大腸がんの患者に効くといった結果もあるそうです。 これまでは、一度の検査で少数の遺伝子しか調べることができなかったため、がん遺伝子パネル検査はがん治療に画期的な進展をのぞむことができます。 治療費について
保険適用のため、原則、患者の負担は3割になりますが、1か月の自己負担の上限を定めた高額療養費制度を利用すれば、負担を更に抑えることができるようになっています。 実際に「がん遺伝子パネル検査」を受けられる患者は1%程度か?
せっかくその1%の「がん遺伝子パネル検査」を受けることができても、最適な薬の選択につながる症例はまだ1~2割ほどにとどまっているそうです。欧州に比べ、日本は解析技術が遅れているためです。 またせっかく遺伝子変異が見つかっても、薬が存在しない場合も多いからです。 「がんゲノム医療」が保険適用になり、まず、第一歩を踏み出し、今後、症例を重ねて、治療の制度向上を図ることが大切です。 先行している欧州に後れをとる日本 遺伝子データを解析して活用する取り組みは欧州が先行しています。 英国では、50万人を対象に遺伝子情報などを調査し、がんや心臓病、脳卒中など様々な病気の予防や診断、治療法の開発にデータを活用しているそうです。 フィンランドでも、50万人規模の遺伝子情報を集める計画が進んでいるそうです。 日本でも、保険適用を機に、大量の遺伝子情報に基づく医療の効率化や高度化が進むとよいですね。 |