2019.5.30
No.6

来月から「がんのゲノム医療」が保険適用になります!

日本が遅れをとっている「がんのゲノム医療」が、ようやく来月の6月から保険適用となります。
ただし、この保険適用のゲノム医療を受けられるのは、現状では、最適な治療法である「標準治療」がなかったり、効果が出なかったりした場合のみという限定がありますが、まずはゲノム医療の大きな第一歩になるはずです。

では、そもそも「がんゲノム医療」とはどんなものかについてから、紹介します。

がんゲノム医療とは?

※イラストはネットより拝借
がんは遺伝子の変異をきっかけに発症します。遺伝子変異を探し、対応する薬を投与すれば、高い効果が期待できます。「がん遺伝子パネル検査」をすると、がん組織などの多数の遺伝子を一度に調べることができ、専門家が結果を解析し、最適な薬を選択することができるようになります。

がんができた部位ではなく、がんを引き起こした遺伝子の変異に着目するため、肺がん向けの薬が大腸がんの患者に効くといった結果もあるそうです。

これまでは、一度の検査で少数の遺伝子しか調べることができなかったため、がん遺伝子パネル検査はがん治療に画期的な進展をのぞむことができます。

治療費について

今回、検査や解析の結果を患者に説明するまでにかかる医療費は56万円と決まりました。
保険適用のため、原則、患者の負担は3割になりますが、1か月の自己負担の上限を定めた高額療養費制度を利用すれば、負担を更に抑えることができるようになっています。

実際に「がん遺伝子パネル検査」を受けられる患者は1%程度か?

現在がん患者は年間100万ほどいるそうですが、このがんのゲノム治療を受けられる患者は、最適な治療法である「標準治療」がなかったり、効果が出なかった患者のみになるので、現状では1%程度に限られることになりそうです。

せっかくその1%の「がん遺伝子パネル検査」を受けることができても、最適な薬の選択につながる症例はまだ1~2割ほどにとどまっているそうです。欧州に比べ、日本は解析技術が遅れているためです。

またせっかく遺伝子変異が見つかっても、薬が存在しない場合も多いからです。

「がんゲノム医療」が保険適用になり、まず、第一歩を踏み出し、今後、症例を重ねて、治療の制度向上を図ることが大切です。

先行している欧州に後れをとる日本

遺伝子データを解析して活用する取り組みは欧州が先行しています。
英国では、50万人を対象に遺伝子情報などを調査し、がんや心臓病、脳卒中など様々な病気の予防や診断、治療法の開発にデータを活用しているそうです。

フィンランドでも、50万人規模の遺伝子情報を集める計画が進んでいるそうです。
日本でも、保険適用を機に、大量の遺伝子情報に基づく医療の効率化や高度化が進むとよいですね。

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