2019.7.26up 渡辺 京子
秩父の小鹿野の叔母の介護でいつも一泊して疲れを癒すが、今回はいつもの梁山泊ではなく、違う宿にしてみようかと、おかみさんが一人でやっているというこじんまりとした宿「やしき」を予約した(1泊2食12000円)。来て、びっくり。池や庭、家の造作、置物など、半端じゃないのだ。まるで武家屋敷のようで写真を撮りまくる。料亭で食べているみたいだね、と言いながら、おいしい地元料理を頂いてきた
◆目をみはる「やしき」の造り(2019.7.20)
温泉の家庭風呂で、まずは汗を流し、料理の間へ。nabeさんの後ろには立派な兜や鎧が控え、手の込んだ桟や襖に思わずキョロキョロ。おかみさんから「やしき」は屋号で、地元の人たちから「やしき」と呼ばれている事、おかみさんはここで生まれたこと、宿のほうは父母から受け継いでおかみさん1人で切り盛りしていることなど、お話を伺う。おかみさんの額に流れる汗を見ながら、4組の夕食を一人で用意するのは大変だろうなと思う
手入れの行き届いた等身大の兜や鎧、螺鈿の皿、刀剣が目を引く
102歳の叔母の話も出て、おかみさんがわざわざ持ってきてくれた「つつっこ」。トチの葉っぱでもち米と小豆を包んだ昔ながらの地元料理。モチモチして美味 100年ほど前に建てられた屋敷で、農業や林業、質屋などを営んできたとか。半世紀前に両親が始めた宿をおかみさんが引き継いで、民宿形式のまま続けているとか。料亭のような間で獅子鍋などをおいしく頂く
こんもりとした山に囲まれた、昔ながらの建物「やしき」
部屋の欄干から庭をのぞくと、手入れの行き届いた庭には五重塔や鶴など、さまざまな置物
朝食は夕食の時の間と違って、これまた見事な水墨画の襖の間
朝食の間の隅には、茶席を思わせる衝立(ついたて) 随所の気配りはデザインを勉強したおかみさんの美意識
一体何間あるのだろう。「ここは料亭並みだよねぇ」と感心するnabeさん。おかみさんが帰りに、「叔母さんも懐かしがってくれるかもしれませんね」と、「つつっこ」3つをお土産に持たせてくれた。もちろん、叔母さんはぺろりと平らげ、懐かしがってくれた。「つつっこ」とはトチの葉で包むことが語源らしい
◆あおり運転を見事、撃退(2019.7.20)
秩父の山道のくねくね道で、緑の大型トラックが迫ってきて、後ろギリギリにミニクーパーをあおり始めた。前もトラックなので、不安になる。土曜日だというのに、セメント工場のある秩父はやっぱりトラックが多かった
あおり運転を通報する場合を考えて、デジカメを取り出し、サイドミラーに映る様子やビデオ撮影を始めた。すると、いきなり、トラックがあおり運転をやめて、どんどんと後ろに離れ出した。こちらがデジカメで撮影しているのに気づいたのだ。nabeさんと、思いがけずのデジカメ効果に笑ってしまった。それからは川や山を眺めながら、快適なドライブとなった。やっぱり、車には、「ドライブレコーダーが必要かな」とnabeさんと話す。多分、あのトラックもドライブレコーダーが付いていたら、あおらなかったのではないか、と思う
◆神様のいる山を削る秩父の人(2019.7.20)
明治の頃より、石灰岩が採掘され、年毎に削られていく秩父の山「武甲山」。昔から神様のこもる山として、信仰されてきた。「そのうち、武甲山はなくなるだろうねぇ。神様のいる山を削っちゃうんだから、なんか逞しいよねぇ」とnabeさん。ネットで調べてみると、石灰岩があるのは北側だけなので、このまま採掘が進んで石灰岩を堀りつくしたとしても、武甲山がなくなることはないと書かれていた

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